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小山芳元通信

こんにちは!新潟県議会議員小山芳元です。ホームページは都合により更新できなくなったため、ブログ開設で情報発信します。詳細なプロフィールや政治信条などは、ホームページをごらん下さい。
2022/03/17(木)
◎令和4年2月議会 小山芳元委員 (連合委員会代表)

 2期目への立候補の決意を表明した花角知事、2月県議会において、花角県政1期4年間の原発に向き合う姿勢が大きく変質したことなど、原発問題を中心に代表連合委員会で、知事と一問一答の論戦を行いました。
 以下は、質問の要旨です。(要旨以外にアドリブで花角姿勢を厳しく指摘しましたが、掲載されていません)
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1 原発問題について
(小山) 中越沖地震で揺れが一番少なかった6号機の大物搬入建屋を支える杭が破損したことは、他の号機の杭の破損も十分に想定される中、7号機の大物搬入建屋は、杭の損傷を調べないまま建替えが行われ、杭は新たに複数本追加され、全ての杭が従前より太く補強されていることは、杭の破損を隠ぺいするための建屋の建替えではないかとの疑念が残り、報道によれば、専門家や桜井柏崎市長は「詳細な内部調査が必要」と述べている。
 知事はこれまでの私の質問に対し技術委員会で6号機の杭の損傷についての確認の中で必要となれば、データ開示を求めていくと技術委員会任せの答弁であった。
 委員会質疑でも、技術委員会で必要であれば、科学的・客観的な根拠を示して情報公開を求めていくとのことであるが、情報開示を求める根拠は、これから再稼働を目指している7号機の安全の確認のためである。
 安全協定に基づき、建替え前の7号機大物搬入建屋の杭等に関する情報開示を求めることは、当然の県の責務でないのか、改めて知事に伺う。


(知事)柏崎刈羽原発7号機の大物搬入建屋の杭等に関する情報の開示についてでありますが、 県、柏崎市、刈羽村、東京電力の4者で締結している安全協定において、発電所の管理等の状況について積極的に情報公開を行う旨定められており、東京電力は、安全に関する情報は、可能な限り速やかに公開すべきであると考えております。
 6号機の大物搬入建屋の杭損傷について、県は柏崎市、刈羽村とともに安全協定に基づき現地確認を行うとともに、技術委員会委員にも現地を確認していただきました。また、原子力規制委員会も現地確認を行っており、東京電力は更に調査を行うとしております。
 今後、これらの結果も踏まえ、技術委員会で議論していくこととしており、この中で7号機大物搬入建屋の建替前の情報が必要となれば、東京電力にデータの開示を求めてまいります。

(小山) 柏崎刈羽原発7号機の配管の溶接工事において、つなぎ目強度を確保のための「不活性ガス」を配管内に満たす、「基本中の基本」の工程を現場で意図的に省くという、悪質な手抜き工事が2019年9月から常態化していた深刻な問題が発覚し、1,537ケ所の溶接をやり直す事態に発展し、東京電力の業者丸投げ、悪質な手抜き工事を見抜けない体制のずさんさが浮き彫りになった。  
 知事は、本会議答弁で「東京電力には安全最優先の取組を、行動と実績で示して頂きたいと考えている」と述べるにとどめ、委員会質疑では技術委員会での議論を踏まえて対応するとのことであった。
 東京電力に適格性が問われる問題として、毅然とした県の厳しい姿勢を示すべきであり、そのことはすぐにでも実行できるものである中、知事の東京電力の自助努力に期待するだけの姿勢、何でも技術委員会の議論を踏まえなければできない主体性のない対応しかないのであれば、県の見識が問われるが、知事の見識を伺う。


(知事)原発の安全対策についてでありますが、 原発の立地自治体である県として、柏崎刈羽原発の安全性確保は大変重要な課題と認識しております。
 原子力発電に関しては、法に基づき、安全規制については原子力規制委員会が一元的に権限と責任を有し、また設置者が安全性向上等の責務を有するとされているものではありますが、県においても、安全協定に基づき技術委員会における各分野の専門家の最新の知見に基づく助言・指導を踏まえつつ、自ら柏崎刈羽原発の安全対策の確認を行うとともに、様々な形で東京電力や原子力規制委員会等に強く要望を行うなど、今後とも、採りうる対応を積極的に行ってまいります。

(小山) 手抜き溶接工事の背景について、一昨年、経済産業省幹部や資源エネルギー庁長官らが80回も来県し、昨夏に7号機を再稼働させるシナリオを描いたことにより、現場では2020年12月の工期が遅れる懸念が生じた。
 「不活性ガス」を配管内に満たすには長時間かかることから、工期遅れを回避するため、現場では作業の効率性を重視し、この工程を省いたのではないかと考えられる。
 要は、国や県が再稼動のシナリオを描いたことが、結果して手抜き溶接工事につながったのではないかと指摘するが、知事の見解を伺う。

花角知事A

(知事)柏崎刈羽原発における配管溶接に関する問題と再稼働のシナリオについてでありますが、私は、3つの検証は期限を区切ることなく議論を尽くしていただきたいとの考えを何度もお答えしております。
 県が柏崎刈羽原発再稼働のシナリオを描いたとのご指摘ですが、そのようなことは全くございません。
 東京電力が公表した調査結果によれば、今回の不適切な溶接が行われた原因は、現場の溶接士が正規の作業工程を無視して効率のみを重視したことや、受注業者で組織的な管理ができていなかったことなどが挙げられております。

(小山) 重要施設の杭の破損、悪質な手抜き溶接工事など、とどまるところを知らない一連の不祥事には内部通報によるものもあり、内部通報がなければそのまま見過ごされ、安全性がないがしろにされていくという、見逃せない極めて重大な側面があり、適格性が厳しく問われる。
 また、東京電力のこれまでの不祥事で共通する管理能力の欠如、丸投げ体質、そして、その都度、謝罪を繰り返す場当たり的な体質も、適格性が問われる問題である。  その後も、協力企業作業員が有効期限の切れた入構証で周辺防護区域に入っていた問題や、6号機中央制御室の外気遮断弁3台が、建設完成当時から間違った取り付けで完全に閉まらない状態だったことなど、不祥事が続出している。
 知事は、核セキリティに関わる不祥事の発覚で、東京電力の原発の運転を適確に遂行するに足りる技術的能力に懐疑的な見方を示し、運転適格性については技術委員会で確認するとしてきているが、知事の指示で他の検証課題より優先、かつ早急に行わなければ、安全性はないがしろにされていくが、運転適格性の検証をいつ行うのか、見解を伺う。


(知事)東京電力の原発を運転する適格性についてでありますが、現在、技術委員会で行っている柏崎刈羽原発の安全対策の確認において、運転適格性は確認項目となっております。
 また、原子力規制委員会は、追加検査の中で東京電力が自律的な改善が見込めるような事業者かどうか見極めていくとしており、その結果を踏まえて、技術委員会でしっかりと確認してまいります。

(小山) 知事は1期目の任期を間もなく終わろうとしているが、就任時の所信表明以降、現在までの議会答弁で、原発再稼働問題に対しては、「米山前知事が進めていた検証を引き継ぐ」「3つの検証結果が示された後に、議論を始めたい」、「3つの検証は期限を区切ることなく議論を尽くしていただきたい」と述べてきている。   
 しかし、2020年の経済産業省幹部等の年間80回も来県を受けた任期後半から、検証委員会に十分な議論の場を保障せず、まとめ作業を急がせてきたことは、知事の当初姿勢が大きく変質していると言わざるを得ないが、今でも当初の姿勢を堅持していると、自信をもって県民に表明できるか伺う。


(知事)柏崎刈羽原発の再稼働問題についてでありますが、 知事就任以来、私は原発に関する問題は県民の皆様の関心が高く、安全確保等の点で重要な課題と受け止め、対応してまいりました。
 再稼働問題について、知事就任当初からの考えに変更はございません。

(小山) 知事は、検証総括委員会の池内委員長と、何故、共通認識に至らないのか、第1回目と第2回目の議事録をつぶさに熟読した。
 第1回検証総括委員会の議事録を見ると、検証総括委員会については適宜進行に応じて開催する。3つの検証委員会相互の連絡・意思疎通が図られ、それぞれの検証が一定の成果が見られた後に、全体として報告書を書く段階に入り、各委員会の専門外に関しても大所高所から闊達な議論を行う中で最終報告書を作るというのが米山前知事の考えであり、その方向をそれぞれの検証総括委員が了承してきている。
 これに対して第2回検証総括委員会の議事録を見ると、花角知事は検証総括委員会は、「3つの各検証委員会において各分野の専門家の皆さんが事実に基づき科学的、合理的に検証していただいた結果について、各委員の皆様にご確認をいただき、3つの検証についての取りまとめを行っていただきたいと思います」と述べており、議会答弁では、各検証委員会の検証結果に矛盾等がないか確認し、取りまとめてもらうことであり、それ以上は求めていないとしており、米山前県政と花角県政では明らかに違った進め方である。
 花角県政になって、検証総括委員会の目的や委員構成が変わったのであればまだしも、それらが一つの枠組みで変わらないにもかかわらず、県が検証総括委員会の検証範囲を狭め骨抜きにしているからこそ共通認識とならないのは明らかであり、花角知事はこれまでの進め方を反省し、当初の目的に沿った進め方へ姿勢を改めるべきでないのか伺う。


(知事)検証総括委員会についてでありますが、検証総括委員会は、県の原子力行政に資するため、知事の求めに応じ、各分野の専門家に客観的、科学的に検証していただいた3つの検証結果を総括することを目的に設置したものです。
 検証総括委員会の進め方について、第1回検証総括委員会において、米山前知事は「最初の各検証委員会をきちんとやるという段階と、次の報告書を作るという段階の2つに分かれると思っております」と発言しており、現在も進め方は変わっておりません。
 なお、検証総括委員長と共通認識を持てないのは、委員長が技術委員会で確認を行っている柏崎刈羽原発の安全性や、福島第一原発の処理水への対応等を踏まえた東京電力の適格性を議論したいという点であり、いずれも検証総括委員会の設置目的にそぐわないものと考えております。

(小山) 検証総括委員会の議事録を見ると、委員から検証総括委員会で議論する必要がある課題が提起されており、とりわけ多くの委員から検証総括委員会として住民の意見を聞く必要性があると提起されており、住民の意見を聴く会の開催は、池内委員長だけが求めているのではない。
 知事は、こうした多くの検証総括委員の意見を生かして、住民の意見を聴く会をなぜ開催することができないのか、面倒くさいからやりたくないのか、県の方向と違った様々な意見が出されることで、もくろんだ再稼動の目安が先に延びることを恐れてやらないのか、知事の考えを聞きたい。


(知事)検証総括委員会における県民意見聴取の場の設定についてでありますが、検証総括委員会の任務は、3つの検証委員会それぞれにおいて各分野の専門家に客観的、科学的に検証していただいた検証結果をとりまとめることであり、県がその結果を広く県民の皆様と情報共有するとともに、評価をいただくこととしております。
 そのため、とりまとめの過程で、県民の皆様のご意見をお聞きすることは考えておりませんが、検証総括委員会の総意として県民の意見を聴取したいという意見が示されれば検討したいと思います。

(小山) この度の本会議での質問に対し、知事は「検証総括委員会の総意として県民の意見を聴取したいという意見が示されれば検討したい」と答弁している。
 第1回検証総括委員会で、多くの委員から検証総括委員会として住民の意見を聞く必要性があると提起されていることからも、総意を確認すべきでないのか伺う。


(知事)現在、委員長は県が求めていないことについても取り扱いたいとしており、委員会を開催することができない状況です。

(小山) これまで何度も質してきたが、県が設置した審議会等で、70歳以上の委員がいる審議会等は約70%を占めており、70歳以上の委員数は 401人にも上っている中、知事は県の附属機関等設置及び運営基準要綱を適用して、70歳以上の高齢を理由に、原発に慎重な姿勢の2名を含めた技術委員会委員4名を不再任したことが大きな問題となった。
 また、新たに設置した「持続可能な社会の実現に向けた検討委員会」の委員長に、例外規定を適用して70歳以上の人を就任させたことは、正にダブルスタンダードそのものである。
 一つの基準を県の都合の良い解釈で使い分ける進め方は、県民不信を増長させる何ものでもないが、知事は2期目への出馬を表明している中、この先において、こうした姿勢を反省すべきと考えるが見解を伺う。


(知事)審議会等における委員の選任についてでありますが、 委員ご指摘の「持続可能な社会実現に向けた政策に係る検討委員会」の委員長については、その設置目的に照らし、「新・総合計画策定検討委員会」の座長を務められるなど、特に専門的な知識経験等を有する方として、要綱の例外規定の下で委員長就任をお願いしたものであります。
 また、柏崎刈羽原子力発電所の安全管理・安全の確認のために平成15年に設けた技術委員会についても、平成23年の福島原発事故発生を受け、県から技術委員会に対し、臨時的に福島原発事故原因の検証を依頼したことから、この検証作業が行われている間は、県の要綱にある例外規定を適用し、委員を再任してまいりました。
 一方、そうした事情がない場合には「高齢者については、極力任命を避けること」との規定を踏まえ委員を選任することとしております。
 技術委員会においても、この方針に基づき、これまでも適宜多くの委員が交代してきており、令和2年10月に検証報告書が取りまとめられ、また、昨年度末で委員の任期が満了したことから、今回の改選にあたっては、県の要綱を踏まえて選任しました。

(小山) 知事は、4年前の県知事選において、原発再稼働については検証結果を踏まえ自らの結論を示した上で、職を賭して県民に信を問うとし、初めて就任した議会答弁、以後の県議会でも同様の答弁で表明してきたが、知事の1期目での再稼動問題は、東京電力の核セキュリティの不祥事で先送りになった。
 この先、知事が2期目に就任したとすれば、東京電力が今年の秋にも再稼働を目指したいとしており、再稼働問題がより現実となる中、今議会冒頭の提出議案の知事説明の最後に、2期目を目指す所信表明を行っているが、一切原発問題に関することが触れられなかったが、何故なのか見解を伺う。


(知事)提出議案説明の最後に原発問題に触れなかったことについてでありますが、 提出議案説明において、「原発事故に関する3つの検証については、着実に進めてまいります。」と述べております。
 検証作業は引き続き進められており、結果は出ておりません。
 このような状況で2期目を目指すこととしたこととの関係で、原発問題について述べることはないことから、触れなかっただけであります。

(小山) ウクライナには原発が15基あり、13基が稼働している中で、ロシアのウクライナへの軍事侵攻で、チェルノブイリ原発とザポロジエ原発が占拠され、チェルノブイリ原発の電源が喪失したとの報道があるなど、大変深刻な憂慮すべき事態である。
 関連施設の攻撃とされているが、格納容器にミサイルが撃中すれば大惨事となり、冷却水装置の攻撃や、送電網が破壊され外部電源が喪失すれば、原発の制御がままならなくなる。
 世界最大規模の原発が立地する新潟県にとっては他人ごとではなく、原発が大きな危険をはらんだ施設であるという事実を、改めて実感させられたことからも、これを機に早急な脱原発社会を目指すべきと考えるが、知事の見解を伺う。


(知事)原発に依存しない社会の実現についてでありますが、 私としては、将来的に原発に依存しない社会の実現を目指すべきとの考えに変わりはなく、本県においても、引き続き、多様な地域資源を活用した再生可能エネルギーの導入を促進してまいります。
 しかし、原発に依存しない社会の実現には、本県だけでなく国全体で取り組まなければ実現できないことであり、国においてもあらゆる政策を総動員して、再生可能・次世代エネルギーの活用を進めていただきたいと考えております。

2 「佐渡島の金山」の世界遺産登録について
(小山) 韓国は「佐渡島(さど)の金山」の世界文化遺産登録阻止に向けタスクフォースを発足するなど強く反発しており、韓国の理解が得られなければ、登録への道は断たれることになりかねない。
 保守強行派の世界遺産の申請対象はあくまでも「江戸時代まで」で、韓国が問題視する朝鮮半島出身者に対する強制労働の悲惨な歴史とは時期が異なり、歴史問題とは直接かかわりがないとの主張が、果たして理解が得られるか、逆に登録に向けた大きな壁になるのではないのかと懸念し心配するところである。
 知事は、「佐渡島の金山」の普遍的な価値と、戦時中の歴史は別のものとして議論すべきとしているが、それで理解が得られると考えるか、知事の見解を伺う。


(知事)「佐渡島(さど)の金山」の世界遺産登録に向けた国際的な理解についてでありますが、世界遺産登録の実現のためには、世界遺産委員会の審査において顕著な普遍的価値があると認められることが不可欠であります。
 「佐渡島(さど)の金山」の顕著な普遍的価値は、16世紀後半から19世紀半ばにおいて、国家の管理運営の下、海外との技術交流が限られる中、ヨーロッパとは異なる発展を遂げ、世界に誇る質と量の金を生産した伝統的手工業による大規模かつ長期的に継続した金生産システムを示す稀有な産業遺産であることであり、これは国文化審議会からも同様に評価していただいているところであります。
 県といたしましては、この価値について国際的な理解が得られるよう、国や佐渡市と一体となって、できる限りの取組を進めてまいります。
 なお、戦時中の歴史については、文化遺産の価値とは別のものであり、国において、事実に基づいて適切に対応されるものと考えております。

(小山) 2015年の長崎市の通称:軍艦島の世界文化遺産登録の際には、政府は、「犠牲者を記憶にとどめるために適切な対応を取る」と国際的な約束をして認められた経緯がある。
 しかし、その趣旨で建設された「産業遺産情報センター」には、朝鮮半島出身者に対する差別も強制労働も展示物から一切削除されており、このためユネスコは、日本政府に対し「約束の忠実な履行」を求める決議文まで採択している。
 悲願の「佐渡島の金山」の世界遺産登録に向け、いま県として行うべきことは、長崎市の通称:軍艦島の世界文化遺産登録時の国際的な約束の履行と、保守強硬派の主張一辺倒でなく、過去の歴史と真摯に向き合い、理解を得られるための膝を突き合わせて外交を立て直すよう、政府に強く進言していく取組ではないのか、知事に伺う。


(知事)「佐渡島(さど)の金山」の世界遺産登録についてでありますが、世界遺産登録の実現に向けては、「佐渡島(さど)の金山」の文化遺産としての価値について国際的な理解が得られるよう、国や佐渡市と一体となって、できる限りの取組を進めてまいります。
 戦時中の歴史については、文化遺産の価値とは別のものであり、国において、事実に基づいて適切に対応されるものと考えております。県といたしましては、国に対し必要な資料の提供などをしてまいります。
 なお、委員ご指摘の軍艦島を構成資産に含む「明治日本の産業革命遺産」に対する世界遺産委員会の決議については、国において適切に対応されるものと考えております。

3 新型コロナウイルス感染症関連について
(小山) 適用延長した「まん延防止等重点措置」は3月6日で終了したが、第6波における主なクラスター件数割合は学校が42%、幼稚園・保育園が26%と圧倒的に多い実態である一方、飲食業関連は僅か2.4%であったことなどを踏まえると、飲食業の時短要請などの規制強化に、知事は一定の合理性があるとしているが、果たして適切だったのか疑問が残る。
 感染拡大対策の重点を、飲食店から感染者が増加している学校、幼稚園・保育園などに、もっと実効性の高い感染症対策を迅速に行うよう転換する必要があったと考えるが、この先の対策も含め知事の見解を伺う。


(知事)感染拡大対策の重点化の方針についてでありますが、 まん延防止等重点措置において、飲食店等への営業時間短縮の要請を行い、その結果、飲食店を起点とする感染が抑えられ、20代の感染者の割合が大幅に減少したところです。
 また、委員ご指摘の学校、幼稚園、保育園に対しても、本人や同居家族に風邪症状等が見られる際の登校、登園の自粛や、部活動実施の制限等に関する県立学校への要請、幼稚園・保育園や高齢者施設等に対する検査キット配布等の対策を講じております。
 県はこれまでと同様、オミクロン株の流行下においても感染状況を分析し、学校の部活動による10歳代の感染や、ワクチン接種ができなかった12歳未満の感染が増えていることについて注意喚起するとともに、若年層から同居の高齢者への感染拡大が見られたことから、食事の時間や場所を分けること、こまめな換気等、家庭内における注意点も広報してまいりました。
 県としましては、今後とも、感染状況を分析し的確な対策に取り組んでまいります。

(小山) 政府の方針を受け、県は感染者の激増で医療のひっ迫を回避するため、軽症者は自宅療養中心の方針とし、入院病床の回転率を上げるため、入院期間を短縮して自宅療養に切り替えるなどもあり、第6波の県内の自宅療養者は最大3,972名と、昨年11月末にまとめた最大想定636名の6倍以上に増加している実態にある。
学校や幼稚園、保育園での感染者が圧倒的に多く発生していることは、ワクチンの未接種やマスク着用の難しさなどの要因もあるが、自宅療養が家庭内感染を拡大させた結果と指摘したいが、知事の見解を伺う。


(知事)自宅療養と学校等での感染拡大の関連性についてでありますが、 児童や未就学児童の感染が拡大した原因として、11歳以下はワクチンが未接種であったこと、幼稚園や保育園においては年代によってマスクの着用などの基本的な感染症対策が難しいこと、学校においては部活動を完全に禁止できなかったことなどが挙げられると考えております。
 一方、陽性が判明した場合、同居家族も濃厚接触者として自宅待機となり学校等に通うことはないことから、学校等の感染拡大は、自宅療養が家庭内感染を拡大させた結果であるという委員のご指摘は当たらないものと考えております。
  県としては、家庭内から外部へ感染を広げないことが重要と考えており、感染力が強いオミクロン株の特性を踏まえ、本人はもとより家族が体調不良の場合も登校や登園を控えるよう呼び掛けているところです。
引き続き、感染拡大の防止に努めてまいります。

(小山) オミクロン株の第6波で本県の自宅療養者は3,972名にも上ったが、宿泊療養者は62名で420床の施設確保に対し使用率は15%以下できている。
 知人が陽性となり、糖尿病の基礎疾患があるにも関わらず自宅療養とされ、苦しい思いをさせられたとの苦情があり、自宅療養と宿泊療養の区分け基準を明確にするよう求めている。
委員会において、家庭内事情などから宿泊療養の希望があっても、応じないとのことであったが、これに対する知事の見解を伺う。
また、宿泊療養施設に十分な空きがあるにも関わらず、国の方針に添って自宅療養を優先する対応は問題であり、患者の命を守り、家庭内感染と地域感染を拡げないためにも宿泊療養を優先すべきであり、自宅療養は最後の手段とする本県独自の進め方があっても良いのではないか、併せて知事の見解を伺う。


(知事)療養先の決定についてでありますが、 昨年8月に国は、医学的に入院が不要な患者は自宅療養を基本とするという療養の考え方を示しております。
 本県では、自宅療養している方に対して、看護職員が健康観察を行うとともに、必要に応じたオンライン診療により、症状が悪化した際は速やかに入院できる体制を整備しております。
 療養先の決定について、すべての方を入院や宿泊療養とするのは現実的ではないことから、患者の状況を丁寧に評価した上で、患者受入調整センターの医師がトリアージを行い、医療が必要な方は入院、それ以外の方については、症状、基礎疾患の有無、年齢、家庭環境等を踏まえ、重症化リスクの高い方は宿泊療養、そうでない方は自宅療養とすることを基本としております。
 県としましては、入院、宿泊療養が必要な患者のために病床等を確保することが重要であると考えており、今後とも、患者の状況に応じた適切な療養環境の提供に努めてまいります。

(小山) 感染症関連法では、新型コロナウイルスは「2類相当」の指定感染症扱いで、感染者は全件を保健所が取り仕切るとなっている。
 国は、保健所のひっ迫から、陽性者本人が濃厚接触者を特定し、その人に自宅待機などを連絡する方針に切り替え、県も追従していることは、法律の制約から逸脱していると指摘せざるを得ないが、知事の見解を伺う。
 また、保健所のひっ迫は、この間、進められてきた人員削減が大きく影響しており、加えて、第5波の教訓を踏まえた十分な体制強化を行っておくべきところ、それらの対応をせずにきた結果と指摘するが、併せて見解を伺う。


(知事)濃厚接触者の調査手法の見直しと保健所の体制強化についてでありますが、 濃厚接触者の調査の重点化については、重症化率が一定の範囲に収まっているというオミクロン株の特性を踏まえ、真に医療が必要な方を速やかに医療につなげるため、重症化リスク等を踏まえた対象の重点化を行ったものであります。
 一方で、重症化リスク等が低い一般の感染された方に対しては、濃厚接触者に該当する友人等に連絡いただくこと、企業や学校等に対しては、濃厚接触者リストを作成し、自宅待機を管理いただくことをお願いすることで、感染拡大をできる限り抑制することとしたものです。
 保健所では国からの通知に基づき、濃厚接触者については調査等の重点化を行っておりますが、感染者については従来どおり、全件の発生届を医療機関から受理し、必要な対応を行っていることから、感染症の発生を予防し、まん延を防止するために必要な方には一定の行動の制限をお願いするという感染症法の趣旨に沿った対応であると考えております。
 なお、これまで本県では、業務の効率化、集約化、市町村への権限委譲などに合わせて保健所の人員配置を見直してきましたが、地域保健の重要な役割を担う保健師数は維持してきたところです。また、保健所において、感染状況の段階に応じた応援の増強等を図るとともに、医療調整本部においても、警報基準到達時に全庁から応援を得るといった体制を構築するなど、第5波の教訓を踏まえた体制強化に取り組んできたところです。
 今後も、感染者数に応じた応援体制の強化や、ウイルスの特性等により業務の見直しを行うなど、適切に対応してまいります。

(小山) 昨年11月、新型コロナウイルス感染症の第6波到来による最悪の事態を想定し、岸田首相は入院患者の受け入れ3割増の方針など、先手の対策をアピールしてきたが、オミクロン株を中心とした爆発的な感染拡大で、医療機関や保健所の機能不全が露呈し、「自宅療養」や、「みなし陽性」が当たり前となってきている。
 こうしたことは、第5波の反省を生かした基本的な対策が取られずにきた、政府の後手後手の対策に、自治体や国民が翻弄されているのが実態であると指摘せざるを得ないが、知事の見解を伺う。


(知事)新型コロナの第6波への対応についてでありますが、 昨年夏の第5波の感染状況を踏まえて、県は11月末に保健・医療提供体制確保計画を提出しておりましたが、その後に日本国内で拡大したオミクロン株は、これまでの変異株よりも格段に感染力が強く、県内でも1月から感染が急拡大し、これまでの最大療養者数は2月17日の4,178人と、計画で想定した1,523人の約2.7倍となりました。
 このような状況を踏まえ、県は保健所の業務内容を整理し、多数の感染者の中から速やかに医療が必要な方を、医療につなげることとしました。多数の感染者が発生する一方、入院者数については、計画で想定した547人に対して、第6波のこれまでの最大は218人となっており、病床がひっ迫することなく適切に対応してまいりました。
 これは、重症化率が一定の範囲に収まっているというオミクロン株の特性に加え、まん延防止等重点措置により感染の急拡大を抑えたことや、人員を増加して県全体での入院調整を強化したこと、ワクチン、検査、治療薬等の適切な提供などの取組が効果を発揮しているためと考えております。
 また、自宅療養についても、第6波対応として、医師会や新潟大学等に協力いただき、オンライン診療体制を強化するとともに、看護師等を60人程度増員して健康観察対応を強化しました。
 なお、「みなし陽性」については、同居家族などの感染者の濃厚接触者が有症状となった場合に、医師の判断により臨床症状で診断するという限定的なものであることから、新規感染者の2.7%にとどまっております。
 県としましては、第6波においても医療ひっ迫を招くことなく、医療が必要な方を速やかに医療につなぐ対応ができたものと考えており、引き続き感染状況を分析しながら、医療提供体制の強化など、新型コロナ対策に取り組んでまいります。

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2021/03/24(水)
 2月22日から始まった県議会、3月25日をもって終了する状況にあります。
 3月19日に連合委員会に登壇し、花角知事との一問一答の論戦を展開しました。以下は質疑応答の要旨です。
無題

1 行財政改革について
(小山) 県は、令和3年度当初予算編成における収支が、令和元年度に比べ164億円の改善が図られ、令和4年度及び5年度には収支均衡を達成する見込としているが、行財政改革行動計画策定時よりも収支が改善した要因は、税収の大幅減収見込みに対し、地方一般財源総額の実質同水準ルールの適用による地方交付税措置されることなど、見込み違いがあったとしている。
 しかし、財務省の「新経済・財政再生計画」では、同ルールを令和3年度まで維持する規定となっており、見込み違いには当たらず、この結果を見ると、県は、県財政の「緊急事態宣言」で県民に必要以上の過剰な危機感を煽ったのではないかと指摘されても仕方がないと考えるが、知事の見解を伺う。

花角知事A

(知事) 県財政について過剰な危機感を煽ったのではないかとのご指摘についてでありますが、この度の財政危機については、行財政改革行動計画でお示ししたとおり、平成27年度から平成30年度にかけて、県税収入の減少や全国を上回る人口減少等に伴う地方交付税の減少などの様々な要因が重なって、歳入が大幅に減少した一方で、歳出は横ばいで推移したことから、このままでは近い将来財源対策的基金が枯渇すると見込んだものです。
 そのため、令和元年10月に行動計画を策定し、歳出歳入改革に取り組んできたところであり、その結果、この度の令和3年度当初予算案までで164億円の収支改善となったところです。これは県民や議会の皆様、職員の協力のもとで、歳出を厳しく見直してきたことに加えて、歳入面についても国への働きかけにより、地方交付税において「地域社会再生事業費」の創設など本県の要望に沿った制度改正が実現したことなどの様々な努力の結果であると考えております。
 しかしながら、現状においても依然として収支不足であり、令和4年度及び令和5年度の収支均衡の見込みも一時的なものと考えております。加えて、この先には令和13年度をピークとする公債費の実負担の大幅な増加が見込まれております。これに備えて、今後単年度当たり20億円から30億円程度の更なる収支改革が必要と考えているところであり、依然として厳しい財政状況にあることから、危機感を煽ったというご指摘は当たらないと認識しております。

(小山) 令和4年度の一般財源ベースでの黒字転換や、5年間の「行財政改革行動計画」の目標達成見通しについて、取組の成果を強調しているが、改善の大きな部分を占めるのは、職員給与の臨時的削減という、本来あってはならない手法によるものや、県民に痛みを強いる施策への協力があってのものである。
 それにもかかわらず、知事の議会冒頭の所信表明・議案説明や委員会答弁では、そのことが一言も触れられていないが、県民や職員の協力が改善に大きく繋がっているとの認識を前面に出すべきではないかと考えるが、知事の見解を伺う。


(知事) 行財政改革に対する県民や職員の協力への認識についてでありますが、今ほども申し上げたとおり、これまで聖域を設けずあらゆる分野を対象に見直しを行ってきたところですが、これは県民の皆様のご理解に加え、緊急避難的な給与の削減についての議会の皆様や職員からの協力がなければ成し得なかったものと考えております。
 県民の皆様には、これまでも県民説明会をはじめ様々な媒体を活用して、この間の状況を分かりやすく伝わるよう説明してきているところですが、今後の取組についてもより一層の理解が得られるよう丁寧な説明に努めてまいります。

(小山) 「行財政改革行動計画」の「公債費負担適正化計画」では、起債許可団体に陥った後、実質公債費比率を令和20年度までの18年間で18%を下回るようにするとしているが、計画にある「公債費の実負担に基づく事業量管理のイメージ」を見ると、「工夫や節減により実負担が減少した場合、将来に割り振る発行可能額が増加」するという仕組みが示されており、節減分は投資的経費に回すということになっている。
 こうした考え方ではなく、工夫や縮減により実負担が減少した場合は、計画期間の縮減を図る方向にすべきでないのか、知事に伺う。


(知事) 計画期間の短縮についてでありますが、県債発行に当たり国の許可が必要となる実質公債費比率が18%を超える状態はできるだけ早く解消する必要があります。
 一方、激甚化・頻発化する自然災害から県民の安全・安心を守るための防災・減災対策を着実に進めていく必要があること、現時点での投資的経費の水準は他県と比較しても特別に高いものではないこと、また、急激な事業量の削減は県民生活に過度な影響を及ぼすおそれがあることを踏まえ、令和20年度に実質公債費比率を18%以下とすることを目標としたものです。
 今度とも公債費負担適正化計画に基づき、公債費負担の適正な管理に努めてまいります。

(小山) 新潟県は、令和元年度に全国第4位の1万4,873件と多くの移住相談を受け付けたが、「ふるさと回帰支援センター」発表の令和2年の移住希望地ランキングでは、前々年5位、前年7位と上位を占めていたところ、20位にも入らず大きく順位を落としており、極めて高い移住相談件数をU・Iターンに結び付けることができていない。
 県の財政危機が全面に出され、18年間もの長期にわたる起債許可団体というイメージダウンの県に対し、誰がU・Iターンしたいと思うだろうかと懸念する声も多い状況にある。
 移住・定住希望者を増やすためにも、18年間計画にこだわらず早期の起債許可団体からの脱却に向けた財政運営に努めるべきでないのか、知事の見解を伺う。


(知事) 計画期間についてでありますが、先ほど申し上げたとおり、県債発行に国の許可が必要となる実質公債費比率が18%を超える状態はできるだけ早く解消する必要がある一方で、近年、自然災害が激甚化・頻発化するなか、広い県土と長大な河川等を有する本県では、県民の生命や財産を守るために必要な防災・減災対策事業を確実に進めていく必要があることなどから、令和20年度に実質公債費比率を18%以下とすることを目標としたものです。
 今後とも、公債費負担適正化計画に基づく公債費負担の適正な管理と、有利な財源の活用による必要な事業量の確保に取り組んだ上で、できる限り早期に起債許可団体から脱却できるよう努めてまいりたいと考えております。

2 各種審議会等の運営基準について
(小山) 県の設置した193の審議会等のうち、70歳以上の委員がいるものは134と69.4%を占めており、70歳以上の委員数は401人にも上っている。
 このように、県の審議会等の委員は70歳以上が極めて多いのが実態であり、基準があっても、県が年齢を理由に不再任とすることはほとんどなく、高齢とは関係なく経験者としての知見を活かすため、審議会等の目的や趣旨に沿って委員が選任されていることを裏付けている。
 知事は、記者会見で県技術委員会委員2名の不再任理由を70歳以上であるとし、若い人たちの研究で積み上げた最新の科学的知見を取り入れる旨の発言をしているが、県が設置した審議会等に70歳以上の委員が極めて多い現状の実態をどのように受け止めるか伺う。


(知事) 審議会等における高齢委員の選任についてでありますが、審議会等においては、現役世代からの幅広い意見の反映や、時代に対応した活発な議論のため、高齢の委員の選任は極力避けることを原則としております。
 一方で、要綱においては、例外規定を設けており、「審議会等の所掌事務に密接な関連を有する団体の代表者である場合」や「専門的な知識経験等を有する者がその者以外に得難い等特別の事情がある場合」は、高齢委員の選任を妨げないものとしており、現在の選任状況は、それぞれの審議会等に求められる議論に必要な知見を踏まえ、個別具体の判断が行われた結果と認識しております。

(小山) 昨年10月、県は「持続可能な社会実現に向けた政策に係る検討委員会」を設置し、知事の同意のもと7名の委員を任命しているが、委員長について、運営基準要綱の第4条にある、「70歳以上の高齢者については極力任命を避けること」に沿わない選任を行っている。
 一方で、県技術委員会委員の選任に当たり、2名の委員を70歳以上の高齢を理由に不再任の方針としているが、このことは正にダブルスタンダードそのものであり、知事の姿勢・方針に一貫性がないと指摘せざるを得ないが見解を伺う。


(知事) 委員選任と運営基準要綱の関係性についてでありますが、委員ご指摘の「持続可能な社会実現に向けた政策に係る検討委員会」の委員長については、その設置目的に照らし、「新・総合計画策定検討委員会」の座長を務められるなど、特に専門的な知識経験等を有する方として、要綱の例外規定の下で委員長就任をお願いしたものであります。
 また、技術委員会についても、平成23年の福島原発事故発生を受けて、県から臨時的に依頼した事故原因の検証作業が行われている間は、同様に例外規定の下で、委員を再任してまいりました。
 一方で、今回の技術委員会委員の選任も含め、そうした事情が無い場合には「高齢者については、極力任命を避けること」との規定を踏まえ委員を選任することとしており、今後も要綱に基づき適切に判断してまいります。

(小山) 運営基準要綱の基準がありながらも70歳以上の委員の任命を幅広く運用している実態がある中、今回、突如として県技術委員会委員を年齢で一律不再任にすることは、何故この時期に及んで運営基準要綱の基準を全面に出すのか、極めて不自然さが付きまとう。
 知事は、レッテル貼りをやめてほしいと言うが、こうした運営基準要綱の使い分けは、体制側に不都合な委員を意図的に排除していると捉えられても仕方がなく、こうした乱暴なやり方は、まるで菅総理が就任早々に、日本学術会議の一部委員の再任を拒否した新潟県版であり、県民不信を増長させる何ものでもない。
 運営基準要綱の幅広い運用の現状の実態を踏まえ、70歳以上を理由とした県技術委員会委員2名の不再任について、改めて撤回すべきでないか、知事に伺う。


(知事) 技術委員会委員の選任についてでありますが、技術委員会は柏崎刈羽原子力発電所の安全管理・安全の確認のために平成15年に設けた委員会であり、これまでも適宜、多くの委員が交代してきているところです。
 なお、今回委員の交代を予定している方の内、要綱の年齢要件の規定に該当する方は4名です。
 平成23年の福島原発事故発生を受け、県から技術委員会に対し、臨時的に福島原発事故原因の検証を依頼したことから、この検証作業が行われている間は、県の要綱にある例外規定を適用し、委員を再任してまいりました。
 この間、期限を区切ることなく、議論を深めていただくことをお願いしてきており、8年間にわたる審議を経て、昨年10月に福島原発事故原因の検証報告書が取りまとめられたところです。
 今後、技術委員会には、柏崎刈羽原子力発電所の安全対策について、各分野の専門家に最新の知見に基づき、客観的かつ科学的な議論を行っていただきたいと考えており、今回の委員の選任については、従来どおり県の要綱を踏まえて行ってまいります。

(小山) 運営基準要綱第4条2項には、当該附属機関の所掌事務に関し、特に専門的な知識経験等を有する者が、その者以外に得難い等特別の事情があると認められた場合の例外規定が設けられている。
 知事は、高齢を理由に県技術委員会の2名の委員の不再任を押し通すのであれば、専門的な知識を有する両氏については、その者以外に得難い等特別な事情があると認められないとすることであり、このことについて知事には、運営基準要綱に則り明確な説明を行う責任があり、そのことを求め伺う。


(知事) 技術委員会委員の再任についてでありますが、 先程申し上げたとおり、技術委員会では、平成23年の福島原発事故発生を受け、県から技術委員会に対し、臨時的に福島原発事故原因の検証を依頼したことから、この検証作業が行われている間は、県の要綱にある例外規定を適用し、委員を再任してまいりました。
 今回の委員の選任については、技術委員会における検証の区切りを受けて、県の要綱の原則に従い行ってまいります。

(小山) 米国バイデン大統領は78歳、菅総理も72歳、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会元会長の森氏は83歳、一時後任を了解した川淵氏は84歳である。また、高齢化時代にあって、民間企業ではこれまでの定年60歳を70歳へ引き上げる動きも進んでいる状況下にある。
 こうした今日的状況や、県の審議会等において運営基準要綱の基準にかかわらず、70歳以上の委員が極めて多く活躍している現状を踏まえると、この要綱は時代に合わず、見直しが必要なのではないか、知事の見解を伺う。


(知事) 審議会等の運営基準要綱の見直しについてでありますが、高齢者の委員任命を極力避ける旨の規定は、「現に活躍している世代からの幅広い意見を反映し、時代に対応した一層活発な審議を行う」ため、設けているところです。
 国においても、閣議決定において審議会等の委員について「高齢者については原則として委員に選任しない」という取扱いがなされているものと承知しており、一定の基準を定めることは合理性があると考えております。

3 新潟県立図書館の民営化について
(小山) 県は、財政危機に伴う行財政改革の一環として、図書館など県直営の7文教施設の民営化等の見直しの検討を進めている。
 図書館を民営化した他自治体では、公共性の確保に対する厳しい指摘や、労働環境などで問題が多発しており、再度「直営」に戻したところが17館にも上っている。
 図書館は、知性や感性を育み、人材育成、人間形成に欠かせない重要な役割を担っていることや、民営化による司書等の非正規雇用化や人員削減などにより、図書館の生命線である「レファレンスサービス」が欠如する懸念が非常に大きいことから、民営化はすべきでないと考えるが、知事の見解を伺う。


(知事) 県立図書館の運営の見直しについてでありますが、県立図書館の役割や機能としては、市町村立図書館への支援や専門図書の収集等に加え、委員ご指摘のレファレンスサービスがあるものと認識しております。
 教育委員会には、そうした県立図書館の役割や機能が、より効果的かつ効率的に発揮できるものとなるよう、関係者の意見をお聞きするとともに、他県の取組も参考にしながら、検討してもらいたいと考えております。

4 県庁のテレワークについて
(小山) 内閣府が昨年12月に公表した調査では、全業種のテレワーク実施率が21.5%である中、推進側の公務員は14.5%と十分な取組ができていないことから、総務省は、目標を定めて取組むよう都道府県等に通知した。
 今後、県庁の取組が加速するものと思われるが、テレワークを本格導入する場合には、長時間労働の未然防止策、作業環境管理、健康管理などの課題があり、あらかじめ労使で検討する取組をはじめるべきと考えるが、知事の見解を伺う。


(知事) 県庁のテレワークに関する労使の検討を始めるべきとのご指摘についてでありますが、 県では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止を図るため、昨年4月にテレワークを導入したところであり、業務の開始及び終了時の電話報告など、基本的なルールのみを定めて運用しております。
 テレワークは、仕事と育児・介護の両立など、働き方改革の一環としても推進していくべきと考えておりますが、今後運用を拡大していくに当たっては、委員ご指摘のとおり、テレワークに伴う長時間労働の防止や健康管理等の課題があるものと認識しております。
 このため、こうした課題に関し、具体的な取扱いを定める必要があると考えており、今後検討を進めるとともに、必要に応じ職員団体にも説明し、理解を得てまいりたいと考えております。

2021/02/08(月)
【小山よしもと県議会だより新春号】
「県議会だより新春号」が完成し、1月31日(日)朝刊折り込みを行いました。
「超過課税」と「敷かれた原発再稼働へのレール」、この県民生活を脅かす2つの大きな流れが、底辺で動いている内容の特集です❗

県議会だより1

県議会だより2
2021/02/08(月)
 部落解放同盟新潟県本部の荊冠旗開きが、十分なコロナ対策のもと新潟市内のホテルで開催され、社民党を代表して、差別撤廃、人権擁護の運動の強化を訴える連帯の挨拶をしました。
 本来、旗開きは、アルコールが入って懇親を深めるところですが、コロナ禍のため取り止め、変わって「情報化社会と差別撤廃の原点」と題した講演会で知識を深めました。
荊冠旗開き1

荊冠旗開き2

2020/10/01(木)
忙しさにかつけて、ブログの更新をだいぶさぼってしまいました。クリック戴いた方にはお詫び申し上げます。
9月県議会が9月29日に召集され、10月16日までの18日間の会期で行われています。
10月1日、代表質問があり、会派「未来にいがた」を代表して、代表質問に登壇しました。私は再三質問まで行いましたが、、知事は言質をを取られないような官僚特有の答弁に終始し、思うような答弁を引き出すことはできませんでした。
以下、質問答弁を掲載します。

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1.知事の政治姿勢について
(小山) 安倍首相の健康問題を理由に辞職した安倍政権は、アベノミクスの成果を強調しているが、大企業の内部留保が積み上がるなど富裕層が潤ったものの、地方や中小企業に恩恵が行き渡らず、非正規雇用と貧困者を増やし一層の格差拡大を招いた。
 また、集団的自衛権の行使を容認する「安全保障関連法」「特定秘密保護法」や「共謀罪法」など次々と強行成立させ、加えて、「森友」「加計」学園問題、「桜を見る会」など、政治を私物化する数々の疑惑に対して、公文書の改ざん・隠ぺい、虚偽答弁、「忖度」政治の蔓延など、民主主義の根幹を崩壊させる政治が横行してきたが、7年8カ月にわたる安倍政権について、知事はどのように受け止めているか伺う。

花角知事A

(知事) まず初めに、安倍政権の受け止めについてでありますが、安倍前首相が、長期間にわたって重責を担い、国内外の様々な政策課題に全力で取り組んでこられたことに敬意を表します。
 第2次安倍政権は、経済再生に全力で取り組んでこられました。残念ながら、現状においては、新型コロナウイルスの感染拡大もあって、地方ではその効果が広く行き渡るまでには至っておりませんが、大都市に立地する輸出型大企業を中心とした業績や国内の雇用情勢が改善するなど、我が国の景気回復に一定の成果を上げてきたものと認識しております。
 また、地方創生や拉致問題の解決といった内政・外交にわたる種々の難しい課題について、国の最重要課題として明確に提示し、真摯に全力で取り組まれてこられたこと自体は、一つの大きな功績であると考えております。
 現時点においては、まだ道半ばで成果が十分には現れていない面もありますが、引き続き菅政権がこれらの課題に取り組むに当たっての土台が作られたものと受け止めております。

(小山) 新しく誕生した菅総理は、安倍政権を継承するとして、森友、加計学園や桜を見る会などの問題について再調査をしない考えを明言し、また、アベノミクスについても、責任を持って引き継ぎ前に進めるとしているが、格差拡大の是正のために大企業・金持ち優遇政策にどれだけ切り込めるか極めて疑問である。さらに、憲法改正に引き続き挑戦したいと意欲を見せている。
 安倍政治の反省や検証もないまま、こうした手法や本質がそのまま引き継がれることは、平和と民主主義が脅かされ、政治の劣化が一層進むものと考えるが、新政権に対する知事の所見を伺う。

(知事) 次に、新政権に対する所見についてでありますが、菅首相は、「国民のために働く内閣」をつくると発言されており、地方創生や拉致問題など、安倍政権が全力で取り組んできたものの、まだ道半ばで成果が十分に現れていない課題について、引き続き新政権が全力で取り組まれるものと考えております。
 菅首相には、新型コロナウイルス感染症対策をはじめとして、我が国が抱える内外の多くの課題に取り組む中にあって、とりわけ人口減少や経済の停滞など、活力を保つことが難しくなっている地方へ思いを寄せた積極的な取組を期待しております。

(小山) 安倍政権における国家予算は、8年連続で過去最大規模を更新し、税収を大きく上回る支出を国債で補うといういびつな構造が続いてきた中、新型コロナウイルスへの対応に関わる2度の補正予算は57兆円を超え、新たな借金増発で国債発行残高も1千兆円に迫る状況となり、積み上がった借金の利払いが国民に重い負担としてのしかかることになり、さらに消費税大増税へとつながることが危惧される。
 この先の国家財政対策は、消費税の再引上げでなく、防衛費の削減や富裕層を優遇する不公平税制の是正、大企業の内部留保への課税を優先すべきと考えるが、知事はどのように受け止めているか伺う。

(知事) 次に、今後の国の財政運営についてでありますが、社会保障関係費が毎年増加する中、令和2年度当初の国家予算は一般会計歳入総額の3割程度を国債に依存しております。また、新型コロナウイルス感染症対策のための2度の補正予算の財源約57兆円全額を国債で賄っていることから、今年度末には国債残高は1千兆円に迫る状況にあります。
 これら政府の補正予算は、感染拡大防止と社会経済活動維持のため必要な対応と考えておりますが、収束後においては財政健全化に取り組む必要があると考えております。
 今後、国民の生活や経済への影響などを十分に考慮した上で、中長期的な観点から、国の責任において適切に対応していただく必要があると考えております。

(小山) 昨年10月に「行財政改革行動計画」を策定し、2038年度に実質公債費比率を18%以下にする「公債費負担適正化計画」の取組をスタートさせてきたものの、コロナ禍による景気の減速で今年度の県税収の落ち込みが確実視されるが、見通しを伺う。
 また、県税収の落ち込みで行財政改革行動計画の見直しが必至とも考えられるが、感染拡大防止対策の徹底を両立させながら、計画に沿った着実な実行が図れるのか、併せて知事に伺う。

(知事) 次に、今年度の県税収入の見通しと、感染拡大防止対策と両立した行財政改革の実行についてでありますが、現在の経済状況から、今後、基幹的な歳入である県税収入は大幅に落ち込み、財政状況が更に厳しくなることが見込まれます。
そうした中で、持続可能な財政運営を実現していくため、まずは、引き続き行財政改革行動計画の取組を着実に進めるとともに、新型コロナウイルスの影響による全国的な税収減の状況の中では、国としての対応が不可欠であることから、必要な地方一般財源総額の確保・充実を強く求めてまいります。
一方で、新型コロナウイルス感染症対策については、引き続き迅速かつ最大限進める必要があり、国から交付される新型コロナウイルス関連交付金等を最大限活用して取り組むとともに、令和3年度以降の交付金の確保・充実について、本県単独はもとより全国知事会を通じた要望を行うことなどにより、行財政改革と感染症対応の両立を図ってまいりたいと考えております。
今年度の県税収入の見込みについては、総務管理部長から答弁いたします

(総務管理部長) 今年度の県税収入の見通しについてでありますが、直近の県税収入状況は、8月末時点での法人二税が前年同月比マイナス7.4%の減収となっております。
 また、今後の見通しにつきましても、世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響により、政府・民間のGDP見通しや日銀短観などの指標は軒並み悪化しております。
 これらの状況や、リーマンショック時の税収の落ち込み等を踏まえると、法人二税や地方消費税等の大幅な減収が見込まれることから、令和2年度の県税収入は、当初予算から約200億円程度の減収が見込まれると考えております。
 なお、この試算の前提は不確定な要素が多く、今後大幅な変動も見込まれることから、引き続き景気動向等を注視してまいりたいと考えております。

2.新型コロナウイルス感染症問題について
(小山)466億円の予算を投じた「アベノマスク」の極めて不透明な業者選定の実態、持続化給付金を769億円で受託した「サービスデザイン推進協議会」が、「電通」に97%の749億円で丸投げ、3,095億円と破格な事務委託費の「GoToトラベルキャンペーン」の競争性を排除した出来レース公募疑惑の浮上と、受託した「ツーリズム産業共同提案体」から政治家への多額な献金が週刊誌に報道された実態など、コロナ禍を背景に、大がかりな利権が絡んだ癒着疑惑がつきまとっていることは極めて遺憾と考えるが、この間の政府の新型コロナウイルス対策に対する知事の所見を伺う。

(知事) 次に、新型コロナウイルス感染症問題についてお答えします。
 まず、新型コロナウイルス感染症対策における政府の対応についてでありますが、事務の執行に関して様々な指摘もありますが、未知の感染症に対して政府を挙げて全力で対処してきたものと承知しております。
 具体的には、地方創生臨時交付金による自治体支援、雇用調整助成金や持続化給付金による事業者支援、感染症緊急包括支援交付金による医療提供体制支援、各種の経済対策等、各分野において必要な施策が総合的に講じられてきたものと受け止めております。

(小山) PCR検査体制について、本県が試算するピーク時の1日当たり最大推計検査件数の450件に対して、9月末をめどに1,200件以上に拡充するとしており、これにより約750件の余裕ができる大幅な強化となるが、この拡充した検査体制能力をどう感染拡大防止と収束に向けていくのか、知事に伺う。
 また本県でも、他の自治体で始めたように、医師の判断に関わらず検査を希望する者に対して、安価な自己負担で検査できる環境を整え、住民の安心・安全と無症状者の可視化を図ることで感染拡大の防止につなげる戦略的な取組を行うべきと考えるが、併せて知事の見解を伺う。

(知事) 次に、PCR検査についてでありますが、本県では、医師が必要と判断した方や、濃厚接触者に該当しなくても患者と接触のあった方、医療従事者等感染を早期に発見する必要がある方等について広く検査を実施しております。
 今後、議員ご指摘のとおり、検査体制を更に拡充するとともに、これに対応した検体採取の体制も確保します。こうした体制の下、発熱等の症状がある方は経過に関わらず、相談があった際は必ず検査を行うことで、感染拡大防止につなげてまいりたいと考えております。
 また、ご指摘の取組については、事業活動の一環で県外に出張する者等に対して検査の補助を行っている自治体があると承知しておりますが、現在の県内の感染状況を踏まえると、無症状で感染が疑われない県民にすべからく公費で検査を支援することについては、必要性や費用対効果の観点から、慎重な検討が必要と考えております。

(小山) 厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症の軽症者や無症状者について、宿泊施設療養を基本とすることから自宅療養を認める方針を示した。
 この間、自宅療養者が重症化する事例や、自宅療養による家庭内感染事例が多くあり、また、軽症者は行動力があることから感染拡大につながる危険性があるなど、政府の自宅療養を促進する方針転換は、感染拡大を助長する遺憾な対策と言わざるを得ない。
 本県では、自宅療養対策をとらず、宿泊施設を新たに2つ増やして176室の宿泊施設を確保しているが、自宅療養を促進する政府の方針転換に対する知事の見解を伺う。  

(知事) 次に、軽症者や無症状者の自宅療養についてでありますが、本県においては、患者の年齢や重症度に関わらず、症状が急変する可能性があるため、原則として、入院または宿泊療養施設における療養を利用することとしております。一方で、自宅療養については、入院病床や宿泊療養施設がひっ迫した際に、対応していくものと考えており、必要になった際に、適切に対応できるよう準備してまいります。
 また、県の「新型コロナウイルス感染症対応に係る振り返り」において、専門家会議委員から指摘されているとおり、小児患者はあらゆる場面で介助が必要であることから、小児を含む家族の場合には、一緒に自宅療養や宿泊療養を行うことなどを検討してまいります。

3.交通対策問題について
(小山) 佐渡汽船が、小木直江津航路の高速カーフェリー「あかね」の就航から僅か5年余りで売却する方針を決定したことについて、当時の「あかね」導入に至った関係機関による、双胴船特有の揺れ問題などの導入前の性能確認や、導入時の判断の甘さに改めて疑問を投げかけられている。
 「あかね」導入について、筆頭株主である県は深く関与していなかったとしており、知事は県の対応については問題がなかったとの認識を示しているが、それは責任逃れの姿勢ではないのか、改めて県の責任についてどのように受け止めているのか、知事に伺う。

(知事) 次に、交通対策問題についてお答えします。
 まず、小木直江津航路の高速カーフェリー導入に係る県の責任についてでありますが、船舶の導入は、航路事業者が専門的見地などから、経営判断に基づいて行うべきものと考えており、「あかね」導入にあたっては、佐渡汽船が責任をもって判断したものと認識しております。
 当時、県といたしましては、地元市と協調して支援を行うにあたり、どのような運航サービスの提供がなされても支援が行えるよう、航路の赤字補填を行うこととしたものであり、これにより、航路の維持・確保に向けた支援に、責任を果たしてきたものと考えております。

(小山) 「あかね」の建造費約58億円に対し、佐渡市、上越市は多額の補助金を出したが、県は建造費補助から、小木直江津航路の赤字補填に方針転換し、平成26年度から5年間、損益の赤字に対し2分の1を補填する上限12億円の債務負担行為を設定して補填をしてきた経緯がある。
 知事は記者会見で、「あかね」の導入を決めた当時の投資判断に関する検証が必要であるとの認識を示しているが、航路の赤字補填に方針転換した当時の県の方針が適正であったのか、改めて検証する必要があるのではないのか知事の見解を伺う。
(知事) 次に、赤字補填に係る県の方針についてでありますが、県といたしましては、佐渡汽船が地元の意向を踏まえ、どのような運航サービスの提供を選択しても、小木直江津航路の維持に向けた支援が行えるよう、赤字補填を行うこととしたものであり、建造費補助からの方針転換ではなく、当初からの判断として、適切なものであったと考えております。
 
(小山) 佐渡汽船は、「あかね」を売却し、中古ジェットフォイルの運航への切り替えで年間約4億円の赤字の圧縮を図り、役員報酬の削減などで通期での債務超過解消を目指すとしているが、慢性的な赤字経営に加え、佐渡市、上越市が支援した10億円以上の補助金に係る返還や、県の赤字補填も既に終了していることから、一層の厳しい経営状況になることは必至である。
 このため、この先も自治体支援は欠かせないと考えるが、県は筆頭株主として債務超過の解消を目指す経営戦略にどう関わり、佐渡汽船の今後の将来展望に向け、どうリードしていく考えなのか知事に伺う。

(知事) 次に、佐渡汽船の債務超過解消に係る県の関わりについてでありますが、佐渡汽船は上場している民間企業であることから、会社の安定経営に向けては、まずは佐渡汽船自らが運航体制の見直しや、更なる経費削減などの経営改善に取り組むことが必要であると認識しております。
 佐渡汽船は、新型コロナウイルス感染症の拡大により経営に深刻な影響を受け、今期、債務超過の見込みとなっておりますが、県といたしましては、島民生活及び観光振興の両面から欠かすことのできない佐渡航路の維持・確保に向け、佐渡汽船が経営改善を円滑に進められるよう、行政支援の必要性も含め、地元市や関係者と協議を行い、適切に対応してまいりたいと考えております。

(小山) 新潟空港を拠点に佐渡や宮城県、北海道などを小型機で結ぶ格安航空会社「トキエア」は、早ければ10月にも新潟事務所を開設し、35億円の資金調達を目指すとともに、2022年にも運航を開始する見通しを示しているが、本事業が実現すれば、新潟空港の活性化をはじめ、本県への経済効果や雇用創出にも大きな期待ができるものである。
 トキエアは、設立に向けて関係者からの信頼を得るためには県の出資はだめでも補助金の対応を求めており、知事は、2月定例会の私の代表質問に対し、熟度に応じて最大限の対応をする旨の答弁をしているが、トキエアの信頼醸成を図るためにも、これまでの経過を踏まえどう対応するのか、改めて知事の見解を伺う。

(知事) 次に、トキエアの事業実現に向けた県の対応についてでありますが、これまでも議会の場などを通じ、この事業が新潟空港の活性化や拠点化の推進、さらには地域経済の活性化にもつながる可能性があることへの期待を申し上げてまいりました。
 また、事業が実現した場合に備え、今年度は佐渡空港における新型機材の受入れに必要な整備内容の調査を実施するなど、一貫して応援の姿勢を示してきたところです。
 トキエアが運航を開始する際には、運航経費や利用促進の取組に対する支援等を検討してまいりたいと考えており、今後も、事業の進捗に応じて、県として最大限の対応をしてまいります。

4.病院・医療問題について
(小山) 公立・公的病院が、これまでも赤字経営にある中、コロナ対応による空き病床の確保や、院内感染や拡大防止の観点から入院や外来受診の患者を制限することにより、全国的に経営状況が悪化しているが、本県のコロナ禍による経営悪化はどのような状況にあるのか知事に伺う。
 また、政府のコロナ対策の補正予算を踏まえ、県は宿泊施設の176室を含む632床を確保したとしているが、県の要請に応え多くの病床を確保した公的病院は、運営資金が枯渇するなど厳しい状況に追い込まれ、現場で奮闘している職員の夏のボーナスが減額されるに至っていると聞いている。
 地域住民の生命を守る地域医療を残すためには、県の要請に応じた病院への対価をはじめ、県内医療機関に県の全面的な支援が必要と考えるが、どのように行っていくのか、併せて知事の見解を伺う。

(知事) 次に、病院・医療問題についてお答えします。
 まず、新型コロナウイルス感染症による医療機関の経営状況等についてでありますが、県が5月に実施した影響調査によると、3月、4月は多くの医療機関で医業収支が悪化しておりました。その後の国民健康保険などの診療動向を見ますと、5月、6月を底にして持ち直し傾向にあるものの、依然として減収が続く状況にあるものと認識しております。
 このため、県では、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる医療機関に対し、病床確保に伴う費用を補償するとともに、人工呼吸器や個人防護具など、必要な設備等の整備に係る経費助成などの支援を行ってきたところであり、また、国では、福祉医療機構の無利子・無担保融資等の拡充を図っております。
 県といたしましては、今後もこうした施策を活用し、速やかに対応できるよう努めてまいります。

(小山) 昨年9月、安倍政権は全国424病院を再編・統合の議論の対象にし、本県では41病院のうち全国で2番目に多い22病院が対象として名指しされている。
 公立・公的病院を減らせば感染症拡大時に地域医療が崩壊しかねないなど、今回のコロナ禍はこの間の病院の再編・統合の論議に一石を投じていることからも、感染症対策の視点が欠如した公立・公的病院の再編・統合の方針について、見直しや方針そのものの撤回を求めていくべきと考えるが、知事の見解を伺う。

(知事) 次に、公立・公的病院の再編・統合の議論についてでありますが、今般の新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえ、医療資源が充実し、対応力の大きい地域の中核病院の重要性を再認識したところであり、議員ご指摘のとおり、感染症対応の観点も加味しながら、今後の医療提供体制のあり方について検討していく必要があるものと考えております。
 国においても、本年8月31日に、「再検証等の期限を含め、地域医療構想に関する取組の進め方について、改めて整理の上、示すこととする」との通知を発出しており、県といたしましては今後も、国の対応方針を注視し、対応してまいりたいと考えております。

(小山) 県央基幹病院の建設がスタートしている中、運営主体として有力視されている「新潟県地域医療推進機構」は、魚沼基幹病院が当初計画通りの運営ができていないなど運営手腕に疑問が持たれているように、建物が完成しても人員が確保されなければ本来の医療機能は発揮できないが、運営主体の選定はどのように取り組んでいるのか、知事に伺う。
 また、これまで幾度となく質してきているが、現在の県立病院の人材ネットワークを使った人材確保ができることを考えれば、県立での運営が最良と考えるが、併せて知事の見解を伺う。

(知事) 次に、県央基幹病院の運営主体の選定についてでありますが、今後速やかに、同病院において提供する医療の具体的な内容、他病院との役割分担や連携について、県央地域医療構想調整会議で決定したいと考えております。
 その結果を踏まえて、適切に運営主体の選定基準を設定した上で、来春を目途に運営主体を決定し、運営主体とともに、スタッフの確保及び育成に取り組んでまいります。
 また、運営方式につきましては、地域に必要とされる政策的医療が安定的に提供されるとともに、柔軟な医師派遣、医師等のスタッフの確保や民間ノウハウを活用した効果的、効率的な病院運営を実現するためにも、指定管理者に運営を委ねる公設民営方式が望ましいと考えております。

(小山) 経営状況が危機的な県立加茂、吉田両病院については、民間活力を生かした運営とする経営形態の変更に向け、病院局が6月に県内の公的・民間病院を運営する72法人に対し意向調査を行い、9法人が興味を示す回答をしたとのことである。
 しかし、どの病院も経営は厳しく、コロナ禍で更なる経営悪化の状況をみれば、容易に受け手が見つかるとは考えにくいが、どのような取組状況にあるのか伺う。
 また、厚生労働省の「重点支援区域」に本県の県央区域が選定され、国からの集中的な財政支援が得られる見通しとなったとのことであるが、この「重点支援区域」の選定は、県が進めている公設民営への移行にどう影響していくのか、併せて知事に伺う。
(知事) 次に、重点支援区域の選定による加茂・吉田病院の公設民営移行への影響についてでありますが、議員ご指摘のとおり、国の重点支援区域に選定されたことにより、地域医療介護総合確保基金の優先配分や、病床ダウンサイジング支援の一層手厚い実施などの財政的支援に加え、医療機能再編等を検討する医療機関に関するデータ分析などの技術的支援が受けられることとなっております。
 今後、加茂・吉田病院の役割・あり方の見直しに当たって、県央区域の医療機関相互の機能分化と連携が円滑に進むよう、国の支援も有効に活用しながら、県央地域医療構想調整会議で議論するなど、取組を進めてまいります。
 なお、公設民営など民間活力を活かした運営に向けた取組状況については、病院局長から答弁いたします。

(病院局長) 加茂・吉田病院における公設民営など民間活力を活かした運営に向けた取組状況についてでありますが、6月に県内で病院を運営する全72法人に対して実施した県立病院の運営に関する意向調査において「運営に興味あり」と回答のあった9法人について、7月中旬から下旬にかけて個別に訪問し、運営への関心度合いのほか、地域の医療需要や採算性を踏まえた機能・規模などについて意見交換を行ったところであります。
 1回目の意見交換を終えた段階では、両病院とも複数の法人から運営に高い関心をお持ちいただいているものと考えており、今後、更に詳細な条件等について、当該法人と継続的に意見交換を行ってまいります。
 また、意見交換の結果等について、随時、地元市町村に情報提供し、丁寧に意見交換を重ねながら、公設民営など民間活力を活かした運営に向けた取組を着実に進めてまいります。

(小山) へき地病院に位置付けられている松代、柿崎、津川、妙高病院については、市町村主体の運営方針を打ち出しているが、各自治体の財政状況の厳しさ、人員確保の難しさ、病院運営のノウハウなどを考えると地元自治体の受け入れは容易でないと考える。また、一部事務組合などの手法も検討されているが、いずれにしても地域住民の理解が得られることが大前提であるが、県としてどのような展望を持ち取組を進めているのか、知事に伺う。

(知事) 次に、いわゆる「へき地病院」の市町村主体の運営に向けた取組についてでありますが 議員ご指摘のとおり、病院運営に関するノウハウの不足、財政負担、医師をはじめとしたスタッフの確保などが課題であると地元市町から指摘されているところであります。
 一方で、持続可能な医療提供体制を確保していくためには、市町村や民間医療機関との役割分担の下、県立病院が果たすべき役割に重点化を図っていくことも重要な課題と考えております。
 このため、個別の病院の課題に対応した詳細なデータや情報などを地元市町に提供し、引き続き、丁寧に意見交換を重ね、住民説明会の開催も含めて議論を深めるなど、市町村主体の運営に向けて、地元の理解と協力を得られるよう努めてまいります。

(小山) 本県の医師不足について、国の設けた医師の充足度を示す「医師偏在指標」では、本県が全国最下位という状況にあり、改めて本県の深刻な医師不足の実態を浮き彫りにしている。
 医師不足に対しては、これまで各病院が勤務医の長時間労働で何とか補ってきたが、2024年4月から「医師の働き方改革」で、勤務医の残業上限時間の原則年960時間が適用されることから、今から上限を下回るための対策を強化する必要性が求められている。
 三六協定違反の増加実態と併せ、本県の医師の働き方の現状、実態はどのようになっているのか伺うとともに、2024年度までの猶予期間中にどう改善を図っていく考えか、併せて知事の見解を伺う。

(小山) 次に、医師の働き方改革への対応についてでありますが、県では、県医師会と連携の上、県内病院に対し、非公表を前提とした調査を行い、医師の長時間労働の実態など働き方の現状を把握しております。
 県といたしましては、この結果を受け、社会保険労務士などによる訪問相談支援や意識醸成のための医療機関管理者向け研修等を実施し、医師の労働時間管理の適正化や他職種への業務移管を推進するなど、医師の働き方改革に取り組んでおります。
 今後も、医師確保対策にしっかりと取り組んでいくとともに、医師の働き方改革の進捗状況を確認しながら、医療機関における取組を支援してまいります。

5.農業問題について
(小山) 新型コロナウイルス感染拡大は、日本農業に深刻な影響を及ぼしていることから、国は農林水産関係の第1次補正で 5,448億円、第2次補正で658億円を計上したが、経営継続補助金は上限の150万円まで受けるには自己負担は約33万円となり、経営悪化で自己資金が捻出できなければ支援は受けられない。
 また、園芸作物を生産する農家を支援する高収益作物次期作支援交付金は5項目の条件のうち2つ以上の実践が条件で、収入保険や農業共済等への加入の検討も求められる。国の農業分野の支援策は、一刻も早い支援を求める収入減に苦しむ農業者の目線から大きく乖離していると指摘せざるを得ないなど、農家経営を下支えするには十分とは言えないが、これらの支援策は本県農業の継続・発展に寄与していると考えているのか、知事の見解を伺う。

(知事) 次に、農業問題についてお答えします。
 まず、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた本県農林水産業に対する国の支援についてでありますが、飲食店等の休業や外出自粛などから、和牛などの高級食材や切り花など、特に業務用の食材を中心に、需要の減少や価格の低下などの影響が出ていると認識しております。
 議員ご指摘の経営継続補助金や高収益作物次期作支援交付金については、新型コロナウイルス感染症の影響に苦労しながらも営農を継続し、前向きに品目転換や販路開拓など新たな展開を考えている農業者を支援するものであり、本県農業の維持・発展に寄与する施策であると考えております。
 県といたしましては、これらの支援策の効果が最大限発揮されるよう、市町村や関係機関と一体となって、農業者の取組をサポートしてまいります。

(小山) 県は、将来のエースとして8年の歳月をかけて開発したブランド米「新之助」について、コシヒカリと双璧のトップブランドにするため、食味・品質の確保に向け高いハードルを設けるなどして高級なイメージで売り出してきた。
 しかし、2020年産新之助のJA仮渡金は、前年比 1,800円減の1万 5,200円になり、本県産コシヒカリも 900円下がったが、その倍の大幅な減額となり、農家の生産意欲の低下が懸念される。
 他県のブランド米との競争が激化する中、デビュー以来の高級路線を貫くか、現実的な戦略への転換を図るか、改めて難しいかじ取りが迫られていると考えるが、知事の見解を伺う。

(知事) 次に、「新之助」のブランド戦略についてでありますが、「新之助」は、新潟の新しいお米として、コシヒカリと双璧をなすトップブランドとして推進していく方針に変わりはありません。
 「新之助」は一定条件のもと栽培していただいておりますが、暑さに強く、倒れにくいなど、農業者が安心して栽培できる品種であり、コシヒカリとは異なるおいしさを求める消費者から選ばれるトップブランド米として、生産・流通関係者とともに需要・生産拡大に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、この秋からは、これまでの首都圏に加え、関西圏及び中京圏でのブランド定着を目指し、効果的なプロモーションを展開してまいります。

(小山) 3月に閣議決定した新たな食料・農業・農村基本計画は、相変わらず輸出拡大を農政の大きな柱に掲げているが、コロナ禍で我が国の農林水産物の輸出額は、本年1月から4ヶ月連続で前年同月を下回るなど、厳しい現状とは大きく乖離している。カロリーベースの食料自給率目標については、2025年度に45%としていたものを2030年度に先送りしているが、そもそも2018年度には過去最低の37%に落ち込み、6割以上を輸入に頼っているのが現状である。
 新型コロナウイルス感染症の拡大で、食料輸出国の一部が自国優先で輸出制限の動きを見せていることからも、輸出を大きな柱にした大規模農家優先でグローバル化に偏重した路線から、小規模農家や中山間地も含めた国内生産基盤を強化し、国民が必要とする食料を最大限自給する安心の農政へと転換すべきと考えるが、知事の見解を伺う。

(知事) 次に、我が国の農業政策についてでありますが、新たな食料・農業・農村基本計画では、食料の安定供給の確保について、国内の農業生産の増大を図ることを基本とし、輸入と備蓄を適切に組み合わせる必要があるとしています。
 また、今回の見直しにおいては、輸出拡大だけでなく、地域をいかに維持して次世代に継承していくかという視点も重要としており、経営規模の大小や中山間地域といった条件にかかわらず、多様な担い手を幅広く支援することで生産基盤を強化するとともに、産業政策と地域政策を車の両輪として食料自給率の向上を進めていくとされております。
 一方で、議員ご指摘のとおり、このたびの新型コロナウイルス感染拡大により、農産物等の輸出規制を行う国が出るなど、食料自給率の低い我が国においては、食料安全保障の観点から、国内の生産性を高める取組がより一層重要であると考えております。
 このため、県といたしましても、農業を付加価値の高い持続可能な産業として成長させていくとともに、農業をベースにした多様な人材の多様な働き方により中山間地域を維持発展させていくことで、「日本の食料供給基地」としての責務を果たしてまいりたいと考えております。

6.原発問題について
(小山) 柏崎刈羽原発のUPZ圏域にある8市町の議員有志が、原発への賛否や思想信条、立場の違いを越えて、原発再稼働の際に事前同意を求める範囲拡大を目指す超党派研究会を設立した。
 知事は事前同意の範囲拡大の必要性に否定的な姿勢を示しているが、原発事故が起きれば、被害は広範囲かつ長期的に及ぶことは福島原発事故で立証されている中、柏崎市、刈羽村以外の自治体と住民の意向を真に代弁できる自信があるのか伺う。
(知事) 次に、原発問題についてお答えします。
 まず、原発の再稼働に対する事前同意についてでありますが、広域的・専門的な行政課題への対応は、広域自治体としての県の役割であると考えており、立地自治体以外の自治体の意向をしっかり確認しながら取りまとめ、意思表示を行うことで役割を果たしてまいりたいと考えております。

(小山) 先般の技術委員会で、委員から福島第一原発事故時に原子炉圧力容器から水素が漏れた原因について、従来指摘されている場所とは異なる、新たな漏えい場所に関する見解が示された。
 この指摘に対して東京電力は、可能性があると認識しているが、現時点では主要な漏えい経路として設定していないと、驚くべき見解を述べている。
 この問題は、全ての原子炉に共通する潜在的危険因子であり、柏崎刈羽原発の再稼働にあたって納得のいく検証が不可欠と考えるが、知事の見解を伺う。

(知事) 次に、原発事故時の水素漏えいの問題についてでありますが、議員ご指摘の内容は、技術委員会において、福島第一原発事故の検証を踏まえて、柏崎刈羽原発の安全対策として確認する事項とされており、今後議論されるものと承知しております。

(小山) 東京電力は6,7号機の再稼働を見据え、6号機の使用済核燃料の一部を3号機のプールへ移動させ、今後も7号機から2号機への「号機間輸送」を行うとしており、原子力規制庁は問題ないとの見解を示しているが、「号機間輸送」は移動先が安全な号機であることが大前提でなければならない。3号機は新規制基準に基づく審査に合格しておらず、特に1号機から4号機側に設置された防潮堤は液状化が問題になっているなど、安全が担保されていない号機への移送は、地域住民の安全を著しく脅かすものであり、断じて看過できないものであるが、知事の見解を伺う。
 また、これまで使用済核燃料の処理の問題がほとんど議論されずにきているが、柏崎刈羽原発の使用済核燃料の問題について知事はどのように認識し、今後、この問題についてどう対応する考えか、併せて見解を伺う。

(知事) 次に、柏崎刈羽原発の使用済燃料に関する安全性の確認についてでありますが、第一義的には、原子力発電所の安全規制に対し、一元的な権限と責任を有する原子力規制委員会が対応すべきことと考えており、ご指摘の燃料輸送については、問題はないとの見解が示されております。
 また、使用済燃料の処理については、核燃料サイクルを進める国が責任をもって対応すべきものと考えております。
 柏崎刈羽原発の使用済燃料の問題については、事業者が責任をもって対応すべきものであり、今後青森県むつ市に整備中のリサイクル燃料備蓄センターに搬出する予定であると承知しております。

(小山) 北海道寿都町の町長は、多額の交付金は将来の財政難対策の選択肢の一つとして、高レベル放射性廃棄物の最終処分地選定に向けた「文献調査」の応募を検討、第2段階の「概要調査」、第3段階の「精密調査」にまで意欲を示しており、北海道神恵内村でも同様な動きが出ているが、これ以上核のゴミを増やさないためには、原発を廃炉にせざるを得ず、なお残る使用済核燃料や高レベル放射性廃棄物の難題をどうするか、少しでも害の小さい形で解決しようと考えるなら、このような交付金で誘い込むようなやり方こそ止めなくてはならないと考えるが、知事の見解を伺う。
 また、国の調査によれば、本県でも多数の地域が適地となっていることから、この先、最終処分地選定への応募に関する問題が県内自治体に起きないためにも、受け入れ規制に向けた県条例を制定すべきと考えるが、併せて知事の見解を伺う。

(知事) 次に、高レベル放射性廃棄物の最終処分地の選定についてでありますが、高レベル放射性廃棄物の問題は、最終処分地の選定方法も含め、国が責任をもって対応していく問題であると考えております。
 選定にあたっては、文献調査から建設までの各段階ごとに知事・市町村長の意見を聴き、反対の場合は次の段階に進まないとされていることから、最終処分に関する条例を制定する必要はないものと考えております。
 いずれにいたしましても、当県は既に柏崎刈羽原子力発電所を抱えており、新たに高レベル放射性廃棄物の問題を背負い込むということは、県民感情からしても、受け入れることはできないと考えております。

(小山) 県が進める3つの検証について、技術委員会の「福島原発事故原因の検証」の報告書がまとまり、今後、柏崎刈羽原発の安全性を確認する作業に活かしていくとしている。他の検証委員会もまとめ作業に入り、3つの検証委員会の検証結果を踏まえて検証総括委員会が報告書をまとめる作業に入っていくものと理解している。
 検証委員会に係るこれまでの私の質問に対する知事の答弁からすると、3つの検証結果の報告書が取りまとめられ検証委員会が終了しても、技術委員会の柏崎刈羽原発の安全対策の確認も、知事の再稼働に対する総合的な判断材料とするため、タイムラグが生じても、引き続き技術委員会の確認の結果を待つという理解でよいのか、知事の見解を伺う。

(知事) 次に、柏崎刈羽原発の再稼働問題についてでありますが、原発再稼働の議論については、3つの検証の結果が示された後に始めたいと考えております。
 なお、柏崎刈羽原発の安全性については、3つの検証の結果と、技術委員会における施設の安全性についての確認結果とを合わせて総合的に判断されるものと考えております。

(小山) 知事は3つの検証について、近いうちに議論の取りまとめが行われるという期待を持っているとしているが、それは中間報告であると考える。
 この先、知事が柏崎刈羽原発の再稼働の是非を判断するに当って、この間の積み重ねてきた各検証委員会の議論の結果を、再稼働を認めるための儀式やアリバイづくりとして使うことなく、全国唯一行われてきた新潟県の検証結果が、後世の目にも耐え得る議論の集大成になるよう、最終報告に向け十分な議論の場を保障していくべきと考えるが、知事の見解を伺う。

(知事) 次に、原発事故に関する3つの検証の議論についてでありますが、私といたしましては、期限を区切ることなく議論を尽くしていただきたいと考えております。
 先月の技術委員会では、約8年の議論を踏まえた報告書案について概ね了解が得られ、現在、最終的な詰めの作業が行われているものと聞いております。
 他の検証委員会にも、引き続き、精力的に議論していただきたいと考えております。

7.教育問題について
(小山) 県教育委員会の津南、佐渡中等教育学校の募集停止方針が、6月定例会で迷走を極め撤回される事態に至った。
 県教育委員会は、県立高校の再編整備に絡め中高一貫校を新設することで閉校を避け、進学実績を上げることや、義務教育段階で進路選択を可能にするなどの期待から生徒を集めることができると導入したが、県全体を見れば中等教育学校の志願倍率は低く定員割れを生じている。
 単に高校を中等教育学校に変えても、児童・生徒の減少による定員割れを起こすことは避けられず、立上げ段階から高い理想を掲げ過ぎてきたため、対応が後手後手に回ったのが失敗の原因ではないかと考えるが、教育長の見解を伺う。

(教育長) 中等教育学校の設置についてでありますが、県教育委員会では、地域の中等教育の活性化を図るため、中高一貫教育校の設置を進め、教育の機会均等の観点から、通学可能な範囲に1校ずつ配置してまいりました。
 中高一貫教育校の設置によって、形態の異なる学校を選べるようになったことや、6年間一貫した特色ある教育活動に取り組み、大学進学の面でも顕著な実績を上げていることから、一定の成果をあげているものと認識しております。
 一方で、本県では人口規模の小さな地域にも設置したことに加え、児童・生徒数の減少が予想以上に速く進んでいることから、一部の学校では、志願倍率の低下や定員割れが続いております。
 県立中等教育学校あり方検討委員会では、こうした状況を踏まえ、中高一貫教育校設置による成果等をあらためて検証し、課題を整理した上で今後のあり方について検討を進めてまいります。

(小山) 今後、新たに設置した外部の有識者会議を全4回開催し、中等教育学校のこれまでの成果や課題を整理した上で、将来の方向性について本年度内に結論を出す方針とのことであるが、どのような検討をするのか懸念がある。
 年々児童・生徒の減少で定員割れが避けられない中で、存続優先の中途半端な検討であっては解決策にはならず、中等教育学校のあり方そのものの検討をする時期にきていると考えるが、教育長の見解を伺う。

(教育長) 次に、中等教育学校のあり方の検討についてでありますが、本県初の中高一貫教育校を設置してから18年が経過し、少子化に伴う志願者の減少に加え、小中一貫教育に取り組む市町村の動きが出始めるなど、中等教育学校を取り巻く環境が変化しております。
 こうした中、平成14年度に、併設型中高一貫教育校として開校した阿賀黎明中学校・高等学校においては見直しを行い、令和2年3月に阿賀黎明中学校を閉校し、阿賀町立阿賀津川中学校との連携型中高一貫教育校としたところであります。
 今後開催する検討委員会では、地元自治体からの意見聴取結果を報告するとともに、中等教育学校の課題やICT導入による教育環境の変化等について検証したのち、県立中学校との併設型や市町村立中学校との連携型の導入などの可能性も含め、中高一貫教育の今後のあり方について、検討を進めてまいります。

(小山) 群馬県教育委員会は、管理職から時間外労働の多い教職員に対し、時間外労働を実際より短く改変し過少報告していたと発表したが、多忙化解消に向けた施策の判断材料とする目的であるにも関わらず、こうしたことが常態化しているとすれば統計の信頼性が揺らぎかねない。
 本県においては、実際に管理職がUSBメモリなどの記録媒体の家への持ち帰りを許可しており、いわゆるふろしき残業が慢性化していると聞くが、管理職による指示等で改変や過少報告するような事実はないのか教育長に伺う。
 また、このような実態を起こさないためには、具体的にどのような業務を削減していくのかを真剣に考える必要があり、常態化が解消されなければ予算を確保して増員するしかないと考えるが、教育委員会として考えうる防止策・予防策について、併せて教育長に伺う。

(教育長) 次に、時間外労働の改変や過少報告についてでありますが、県立学校では、パソコンを使ったシステムにより、教員の出退勤時刻を記録し、勤務時間の把握を行っているため、管理職による指示等で、時間外労働を実際より短く報告している実態はないと認識しております。
 また、教職員の業務の削減については、「県立学校の教員の勤務時間の上限に関する方針」に基づき、教員の意識を高めるとともに、学校閉庁日の設定や行事の見直し、「新潟県部活動の在り方に係る方針」の遵守による部活動指導の適正化などの取組を進めており、今後も、業務の削減や平準化に努めてまいります。

2020/04/07(火)
【新型コロナウィルス対策に関する緊急要請】
4月6日、社民党新潟県連合は、花角知事(当日は花角知事不在のため、佐久間副知事)に医療、検査体制の強化をはじめ、次の緊急要請を行いました。(主な内容)

(政府へ)
①各都道府県の独自対策に向け、各100億円の一律支給を。
②雇用調整助成金の10割への引き上げを。
③自粛要請に対する売り上げ減の最低8割保証を。
④全国民に10万円の一律支給を。

(県へ)
①軽症者等には、自宅でなくホテル等を借り上げての隔離と、陽性から陰性になった退院者も、同施設で一定期間の隔離を。
②ドライブスルー方式で、疑わしい人はどんどんPCR検査を。
③中小零細企業への無利子の緊急融資を。
④学校休校判断は、学校及び県教育委員会の責任で。
⑤内定取り消しなどは行政指導を行い雇用を守ること。
など………。
新コロ対策知事要請
2020/04/06(月)
穏やかな天候となった週末の土曜日、新コロ対策の密集、密閉、密接を避けて、地元「大潟水と森公園」を、恒例の一時間の🏃‍♂️。
桜の花も満開で、水芭蕉も咲き、白鷺(?)も悠然と水面に。
新コロを避けるにふさわしく、多くの家族連れ(密集にはならない)と、子どもたちの遊ぶ光景が☀️
水と森公園1 水と森公園2

水と森公園3 水と森公園4



2020/03/30(月)
【未来にいがた県議会報告・新聞折り込み】
3月29日に新潟日報朝刊に、「未来にいがた県議会報告」を折り込みました。
ご一読頂き、ご意見・ご要望をお寄せ下されば幸いです☺️
未来にいがた県議会報告1

未来にいがた県議会報告2

2020/03/22(日)
三連休も、新型コロナウィルスの影響でどこにも行けないため、糸魚川市の孫が遊びに来て、コロナウィルスを吹っ飛ばすほどの賑やかさです☺️
糸魚川の孫1
2020/03/20(金)
【新潟駅前で県政報告】
2月17日から始まった県議会、3月19日に終了、恒例の「未来にいがた」の街頭における県政報告を新潟駅前で行いました。
私・小山は「未来にいがた」の代表として
◎新型コロナウィルス対策の強化 
◎新型コロナウィルス対策の強化
◎これでよいのか危機的な財政対策
◎自民党のわがままを、数の横暴で通した予算修正案
等々を市民に訴えました。

また、「未来にいがた」の執務員の送別会も行いました。長い間、ありがとうございました☺️
街頭1 街頭2
街頭3

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