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小山芳元通信2015年10月06日

こんにちは!新潟県議会議員小山芳元です。ホームページは都合により更新できなくなったため、ブログ開設で情報発信します。詳細なプロフィールや政治信条などは、ホームページをごらん下さい。
2015/10/06(火)
10月5日、一般質問で知事と論戦を展開しました。
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1 安全保障関連法について
◆知事は違憲と考えるか
(小山) 安保関連法の本質、根本的な原点は、憲法第9条の理念や条文に明確に反し違憲であることを、マスコミの調査によると9割の憲法学者や司法関係者が指摘しており、歴代自民党内閣も違憲であると統一見解を示してきたにも関わらず、恣意的に集団的自衛権の行使を可能にさせる禁じ手を使って本来の立憲主義を逸脱させたことにある。
 知事は、安保関連法は違憲であるとの認識を持つか、改めて見解を伺う。

(知事) 安保関連法についてでありますが、自衛隊の合憲性など、これまでの判例の考え方によれば、主権国としてのわが国の存立の基礎に極めて重大な関係を持つ高度の政治性を有するものについては、その内容が違憲なりや否やの法的判断は、終局的には、主権を有する国民の政治的批判に委ねられるべきものであるとされております。
 したがいまして、安保関連法に対する認識について、地方自治体の長の立場として見解を表明することは、控えさせていただきます。


◆稀代の独裁政治ではないか
(小山) 世論調査では、国民の半数以上が安保法案に反対しており、8割が国会で審議が尽くされていない、7割が今国会で成立させる必要がないとしているにも関わらず、こうした世論を謙虚に受け止めることなく、憲法違反の法律を強行制定するということは、戦後築き上げてきた平和主義、民主主義を踏みにじる暴挙であり、まさに稀代の独裁政治そのものであると考えるが、知事の所見を伺う。

(知事) この度の法案については、国論が収れんしないまま採決されたものであり、残念であると受け止めておりますが、その評価につきましては、終局的には、主権を有する国民の政治的批判に委ねられるべきものと考えております。
 なお、今回の法案は、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中で、政府として、戦争を永久に放棄した我が国の平和主義を今後とも守るために提案したものであると説明されております。
 また、法案は、国民の代表による国会において、国会法の手続に基づき可決されております。
 したがいまして、今回の法案の制定は、課題を残しつつ成立したものと考えております。


(小山) 本県には自衛隊の駐屯地があり、米国の要請に応じて戦闘状態の地域に派遣される可能性があることから、隊員やその家族は心配しており、子どもや孫の先行きを心配する一般県民も極めて多い。
 これまでの県民生活を一変させかねない安保関連法について、この先どうあるべきと考えるか、知事の見解を伺う。

(知事) 現在、国際社会において安全保障をめぐる環境に変化が生じております。
 こうした中、戦争をしないために、抑止力、外交がどうあるべきか、また、リスクを高める可能性がある平和維持活動への対応など、本質的な議論が、審議の中で避けられてきたのではないかと受け止めております。
 国政の場において、今後、こうした本質的な議論が重ねられることにより、国民の理解が深まる必要があり、終局的には、主権を有する国民の政治的批判に委ねられるものと考えております。


◆デモや集会をどう受け止めるか
(小山) 安保関連法案の反対や安倍政権の進め方に対する抗議の運動は瞬く間に全国に広がった。
 国家の根幹を変える立法を数の力で押し通すことは決して真の議会制民主主義ではなく、市民がそこまで政治家に委ねていないとしてデモや集会等で行動し、意思表示をすることは、議会制民主主義を補う重要な手段と考えるが、知事はどのように受け止めるか伺う。

(知事) 議会制民主主義を採用している我が国において、デモや集会等による意思表示は、国政の場に民意を伝える手段の一つであると考えております。

2 経済情勢について
◆アベノミクスはすでに破綻
(小山) 4~6月期のGDPは、実質前期比0.3%減、年率換算は1.2%減のマイナス成長となり、依然として厳しい経済状況にある。 アベノミクスは、急激な円安と株価の高騰を産み出し、大企業を中心に限定的な効果を及ぼしたものの、一般市民の生活を良くすることなく、事実上破たんしているものと考えるが、知事はどのように受け止めているか伺う。

(知事) アベノミクスについてでありますが、インフレターゲットなどの大胆な金融緩和等により、長引く円高・デフレからの是正の動きが見えてきた中で、消費税増税を行うなど、現在の政府の政策は、当初のアベノミクスから変質しています。
 また、機動的な財政支出も行われていないことから、結果として、経済好循環につながる期待形成にも成功しておりません。
 経済への影響を考慮せず、財政優先で増税したことや、新興国の経済変調が、現在の停滞をもたらしているものと考えております。


◆消費税10%への引き上げは行うべきでない
(小山) 労働者の実質賃金は今年の4月まで24か月連続でマイナスとなり、年金の減額や医療、介護などの負担増、円安による食料品の値上げなど国民の窮乏化が進んでいる。
 その主たる要因は、先の消費税増税にあると考える。
 デフレ脱却を果たさぬまま内需拡大政策と矛盾した消費税の10%への再引上げは、個人消費をますます冷え込ませることから凍結すべきであり、できれば増税前の5%に戻すべきであると考えるが、知事の見解を伺う。

(知事) 長らく日本経済を悩ませてきたデフレからの出口が見え始めたところでのデフレ政策である消費増税は、景気の回復の足を大きく引っ張ったものと考えております。
 したがって、政府・日銀において、適切なマクロ金融・財政政策が実施され、日本全体の経済成長が将来にわたり確実なものとならない限り、消費税率の10%への引上げは見送るべきものと考えております。


◆政府の財政健全化計画は達成困難
(小山) 直近の2014年度の国・地方合わせたプライマリーバランスは約20兆円の赤字である。
 2018年度のプライマリーバランスの赤字対GDP比マイナス1%程度を目指し、2020年度までに黒字化するという政府の方針は、達成困難と考えるが、財政健全化に向けた方策について、知事の見解を伺う。

(知事) 財政健全化に向けた方策についてでありますが、政府の試算は税収弾性値が低く見積もられており、過去の実績を踏まえた、適正な税収弾性値であれば、基礎的財政収支の黒字化は達成可能と考えております。
 そもそも、今なすべきことは、基礎的財政収支の黒字化を目指し、政府支出を抑制することではなく、適切なマクロ金融・財政政策により、名目の経済規模を拡大させ、名目GDPに対する長期債務の比率を引き下げることによって、財政再建を達成すべきものと考えております。

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3 地方創生について
◆増田レポートによる世論形成は危険
(小山) 昨年5月に公表された日本創成会議の報告書、いわゆる増田レポートは、全国市区町村の半数が将来消滅する可能性が高いとしているが、この予測は現状の若年世代の地方回帰の活発化が考慮されず、東京一極集中が続くとの前提や、データ分析方法など多くの課題があり、妥当とは言えず、こうした極論的なレポートを基に政策や世論が形成されていくことは、非常に危険だと考えるが、知事はどう受け止めているか伺う。

(知事) 日本創成会議の報告書、いわゆる増田レポートについてでありますが、「消滅自治体リスト」の発表は衝撃的であったと思いますが、レポートの主眼は少子化の改善や東京一極集中の是正に向けた提言等であります。
 また、このレポートにより人口減少が国全体の重大な問題としての認識が共有され、その後の地方創生の取組につながる契機となったことから、有益であったと受け止めております。
 本県の人口が、国立社会保障・人口問題研究所の平成19年の推計より上振れしているように、政策によって未来は変わる可能性はあると考えております。


◆地方創生は道州制への地ならし
(小山) 政府は、地方創生の動きの中で、中核市等を中心とする「連携中枢都市圏」構想を推進している。これは、広域市町村合併と同じ自治体機能の再編に他ならず、将来的に道州制の導入が視野にあると考える。
 道州制の導入には自治体の強い反発があることから、それを回避するためのつなぎ・地ならしとして、周到に準備された中で、地方創生の名のもとにこの構想が打ち出されたものと考えるが、知事の見解を伺う。

(知事) 次に、連携中枢都市圏構想の推進が道州制の地ならしであるかどうかについてでありますが、現時点において、客観的に判断できる材料を持ち合わせておりません。
 なお、道州制については、この構想のいかんにかかわらず、地方の自己決定力を高めることにつながるかどうかという地方分権の本質論から議論すべき事柄であると考えております。


(小山) 求められる真の地方創生は、国からのトップダウン手法ではなく、県が自らの目標を掲げて、地域住民や県内企業とともに主体性を持って作り上げた地方版総合戦略を国が支援するというボトムアップ型でなければならないと考えるが、知事はどのように受け止めているか見解を伺う。
 また、県の総合戦略の策定にあたっては、「夢おこし」政策プランとどう整合性を図っていくのか、併せて知事に伺う。

(知事) 議員ご指摘のとおり、地方創生の実現のためには、現場に近い地方が、地域の実情に応じて、主体的かつ実効性のある取組を進められるよう、国は制度設計や財源確保などの面で地方を支援する役割を担うべきと考えております。
 また、県の総合戦略については、県議会でのご議論や県民の皆様からのご意見も踏まえ、「夢おこし」政策プランの基本理念や政策目標を踏襲し、政策プランの一部として策定いたします。


(小山) 国の概算要求では、新型交付金の創設が盛り込まれているが、通常の地方向け交付金等が減らされるなど、従来の地方財源の一部が振り替えられることが強く懸念される。
 地方創生は長期的な課題であり、自治体の財源をさらに増やして、自らの政策をある程度自由に実施できる仕組みを作り上げていくことこそが本来の地方創生につながることから、全国知事会等を通じ、地方創生に係る来年度予算の大幅増を国に強く求めていくべきと考えるが、知事の見解を伺う。

(知事) 地方創生に係る来年度予算についてでありますが、地方の実情に応じた事業を柔軟かつ継続的に実施できるよう、新型交付金をはじめとした地方創生に向けた地方財源の充実・確保について、これまでも国に対して要望してきたところであり、全国知事会等とも連携しながら引き続き強く国に働きかけてまいります。

◆雇用制度の改善を
(小山) 政府の労働政策は、雇用制度を破壊して非正規労働者をさらに激増させるおそれがある改正労働者派遣法に見られるように、労働者を使い捨てにして、結婚できないという厳しい現実に若者を追い込む可能性がある。
 これでは人口減少をストップさせ、人口減少社会を乗り切ることなど到底できないため、雇用制度の改善を政府に求めていくべきと考えるが、知事の見解を伺う。

(知事) 雇用制度の改善についてでありますが、上杉議員の代表質問でもお答えしたとおり、改正労働者派遣法については、派遣労働者の雇用の不安定化につながる可能性はありうると認識しております。
 県といたしましては、改正労働者派遣法の施行後の状況を注意深く見極めるとともに、改正法の実効性が懸念される状況に応じ、国に対して要望を行うことを検討してまいりたいと考えております。
 なお、今後の労働政策の検討においては、労働者の保護や雇用慣行のあり方にも十分配慮して進められるべきものと考えております。


◆政府は東京一極集中是正への本気度なし
(小山) 安倍政権は、政府関係機関の地方移転を打ち出し、移転機関の「国の機関としての機能確保」を前提条件に募集を行ったが、道府県による機能確保の立証は困難であり、結果として移転は不可能との口実に利用されかねない。
 加えて、提案対象となる機関の5割以上は東京圏以外に立地していることから、地方から地方への移転となっては本末転倒である。東京一極集中是正という本来の目的を果たす本気度がうかがえないが、国の提案募集の方針に対して、知事はどのように受け止めているか伺う。

(知事) 政府関係機関の地方移転に関する国の提案募集の方針についてでありますが、地方移転の政策を打ち出したことには一定の評価ができるものの、東京一極集中の是正に本気で取り組もうとする姿勢が表れているとは言えない状況であると受け止めております。
 今後、国において、ただ地方に提案を求めるだけでなく、自らの責任において、移転財源の確保も含め、率先して移転の実現に努める姿勢を示していただきたいと考えております。
 なお、国の募集の考え方や具体的な内容については、知事政策局長から答弁させます


 (知事政策局長) 政府関係機関の地方移転に関する提案募集の考え方と内容についてでありますが、募集要綱では東京一極集中の是正を目的に掲げる一方、国から対象として示された291機関のうち、5割以上の機関が東京圏以外の場所に立地していることに加え、当該機関が東京圏から移転することで生じる利便性や機能集積の低下を上回るメリットの説明を地方に求めるという内容になっております。
 さらに要綱では、移転に伴う施設の確保などに対する地方の協力も求めていますが、移転財源に関する国と地方の負担の考え方については、何ら具体的なことは示されていません。


◆高齢者の地方移転は現代版「楢山節考」
(小山) 政府は、首都圏の高齢者が急増し、医療や介護サービスの不足から、地方への移住を支援する方針を打ち出した。受入自治体も、高齢化問題を抱え、厳しい医療・介護サービス環境にあり、財政負担等も考えるととんでもない話である。
 今求められているのは、政府が、全国各地で高齢者が安心して暮らせる医療・介護サービスの確保を図ることである。知事は、この方針をどのように受け止め、どう対応していくのか伺う。

(知事) 首都圏の高齢者の地方移住についてでありますが、健康的でアクティブなシニア世代の地方への移住は、消費の拡大による地域の経済活動の活性化などが期待できる一方、将来的に医療・介護需要の増大によりサービスの提供資源が不足し、元々の住民のサービスを圧迫するようなこととなれば、問題があると考えております。
 議員ご指摘のとおり、本県においては、現状において医療・介護資源が必ずしも十分とは言えない状況にあり、まずは、足下をしっかりと固めていきたいと考えております。


4 北陸新幹線について
◆新幹線。効果・課題の検証、かがやき停止へ
(小山) 北陸新幹線開業に対する期待は極めて大きいものがあったが、知事は、開業後の実態を踏まえ、新幹線が上越地域をはじめ新潟県にもたらしている効果や課題について、どのように分析しているか伺う。

(知事) 北陸新幹線の効果や課題についてでありますが、開業後半年で、分析に使えるデータも限られていることから、県として評価をすることには、限界があると考えております。
 なお、現状につきましては、交通政策局長から答弁させます。

(交通政策局長) 北陸新幹線の効果や課題についてでありますが、沢野議員の代表質問に知事がお答えしたとおり、去る9月のJR西日本の社長会見では、「北陸新幹線の利用状況は好調」であり、「JR利用旅行商品の販売実績は、関西発信越方面も大きく伸びている」と述べられております。
 一方で、開業の効果を実感できない地域もあると聞いております。
 今後、市町村や観光部局等と連携し、情報収集に努めてまいりたいと考えております。


(小山) 北陸新幹線開業後、地域の取組の熱意に差が出ており、新高岡駅については市を挙げた運動で「かがやき」臨時便の停車を実現した一方、新潟県内駅については、「はくたか」の通過便も出てきかねないと、専門家は警鐘を鳴らしているとの報道がある。
 こうした指摘に対して知事はどのように受け止めるか見解を伺う。

(知事) 北陸新幹線の停車に係る指摘についてでありますが、建設費を負担している以上、法の趣旨からみて「はくたか」が停車しなくなるということは、あってはならないことであると考えております。
 なお、今後も乗降客の増加を図ることを重点に、沿線3市や関係団体等と連携し、JRと地元の双方にメリットがあるような取組を共同で進めてまいります。


(小山) 北陸新幹線開業後の実態を踏まえ、来春のダイヤ改正に向け、速達タイプ「かがやき」の県内駅停車、及び「あさま」や「つるぎ」の県内駅までの延伸について、どのように取り組んでいくのか、知事に伺う。

(知事) 速達タイプの停車などに向けた取組についてでありますが、来春のダイヤ改正に向けては、乗降客の増加に向けた取組を進めるとともに、県内駅への停車を含む利便性の向上をJRに求めてまいりたいと考えております。
 沢野議員の代表質問にお答えしたとおり、JRに県内駅停車をお願いするには、日本海国土軸流動をより太いものとし、首都圏流動との結節点としての可能性を拡げることが重要であり、利用客の増加に向けた地域の魅力向上や、フリーゲージトレインの県内への導入に向けた合意形成などが必要と考えております。


◆新幹線騒音対策を
(小山) 北陸新幹線のトンネル出入口に近い一部の沿線住民は、騒音に悩まされ苦情を寄せており、改善がなされずに今日に至っている。
 鉄道・運輸機構は、基準を上回る騒音を確認した場合は、住宅の防音工事費を助成するとしている。
 これでは真の解決にはならず、騒音の発生源の構造改善が本来の行うべき対策ではないのかと考えるが、知事としてどのように対応していくのか伺う。

(知事) 北陸新幹線の騒音への対応についてでありますが、県といたしましては、被害を被っている方が平穏な生活を取り戻すことができるよう、必要な働きかけを行ってまいりたいと考えております。
 なお、具体的な対応等については、交通政策局長から答弁させます。

 (交通政策局長) 北陸新幹線の騒音への対応についてでありますが、一義的には、建設主体である鉄道・運輸機構が対応すべきものであり、現在、順次測定を行うとともに、住宅の防音工事費の助成等や、トンネルの防音工事等について、検討を行っていると聞いています。
 県といたしましては、本年6月、機構に対し、騒音対策について速やかな処置を講じるよう要望を行ったところですが、今後も問題の解決に向けて、機構へ働きかけを続けてまいりたいと考えております。
 なお、一般的に騒音問題は、社会生活上受忍すべき範囲を超えているかどうかが問われると考えられます。
 公共交通機関の騒音訴訟として、名古屋新幹線、大阪国際空港の事案がありますが、いずれも防音工事、損害賠償又は移転補償等で終結しております。


5 原発問題について
◆原子力規制委員会の姿勢
(小山) 先ごろ知事は、全国知事会危機管理・防災特別委員会の委員長として、原子力規制委員会の田中委員長と面談したが、知事から見て、原発再稼働の見切り発車の主因となった新規制基準への適合を判断した田中委員長からは、かつての原子力安全・保安院と違って、独立した3条委員会として、原発を動かすことへの危機感や、万が一事故があった場合の住民の生命や安全を守るという使命感を感じることができたか、知事に伺う。

(知事) 田中委員長の危機感や使命感についてでありますが、制度設計をした際の原子力規制委員会の使命は、国民の生命、安全を守ることです。
 住民の健康を守るという視点からは、権限を持つ国でなければ解決できない課題について、まず関係省庁への勧告権を行使するという姿勢が必要ですが、面談では、勧告権行使の要請には前向きな回答がなく、これでは政府から独立をした意味がないと思います。
 このようなことから、危機感や使命感は必ずしも感じ取れませんでした。


(小山) 知事は、指揮命令系統の明確化や、高放射線量下で住民避難等のため、民間人や自治体職員等が作業を行うためには、原子力災害対策指針と労働安全衛生法との矛盾の解決を図ることが必要であるとして、関係行政機関への勧告権の行使を要望したが、田中委員長は消極的な態度に終始したとのことである。
 この先、勧告権の行使等により、これらの懸案課題が解決されない限り、本県の実効性ある避難計画は策定できないと受け止めてよいか、知事の見解を伺う。

(知事) 議員ご指摘のとおり、田中委員長からは勧告権の行使について前向きな回答はいただけませんでした。
 現状では、法制度や、組織体制、財源措置等権限を持つ国でなければ解決できない課題があり、これらの解決なくしては、被ばくを避けうる避難計画はできないものと考えております。

 
(小山) 原子力規制委員会の担当者が出席した8月31日開催の県技術委員会を傍聴したが、委員から規制委員会の福島第一原発事故の分析は住民の被ばくをどう防ぐかという大前提が欠けていることや、規制基準に福島の教訓が生かされていないことが強く指摘され、答弁に窮していた。
 また、最後まで技術委員会の論議を傾聴することなく、自分たちの出番が終わると退席するなど、技術委員会の審議を真摯に受け止める姿勢に乏しいと感じたが、知事はどのように受け止めているか伺う。

(知事) 原子力規制委員会の事故分析と姿勢についてでありますが、原子力規制庁から、福島第一原子力発電所事故の分析を踏まえ規制基準に反映された事項はない、との回答がありましたが、事故の検証と得られた知見の反映は原子力規制委員会の重要な責務であり、しっかりその責務を果たしていただきたいと考えております。
 なお、安全管理に関する技術委員会の中島座長から、原子力規制委員会に対して、より議論を深めるために、今後も技術委員会への参加を依頼していると聞いており、引き続き参加していただき、より真摯に対応していただきたいと考えており
ます。

◆東電の放射能拡散予測は信用できない
(小山)
 東京電力は、柏崎刈羽原発の過酷事故時におけるフィルターベントの使用において、放射性物質の拡散を独自に分析し、避難計画の策定に協力していくとしている。
 これまで県技術委員会において検証を進めている中、東京電力の方針をどのように受け止めるか知事に伺う。
 また、住民被ばくの回避という大前提に立てば、企業側の目線での分析は信用できず、県技術委員会において全体で分析するべきであると考えるが、併せて知事の見解を伺う。

(知事) 東京電力の放射性物質の拡散分析について、東京電力が独自に分析することは否定しませんが、議員ご指摘のとおり、事故の当事者である東京電力の分析は信用できるか疑問です。
 自治体の避難計画策定に協力するということであれば、県の拡散シミュレーション結果と併せて、安全管理に関する技術委員会で十分に確認するようにしていただきたいと考えております。


◆川内原発・見切り発車の再稼働
(小山)
 九州電力川内原発の再稼働は、福島原発事故の検証が不十分な中で拙速に作られた新規制基準の適合を前提としており、しかも、新規制基準は自治体の避難計画の審査を対象外としているため、避難計画の実効性が伴わない不十分な中での見切り発車となったことは、安全性がないがしろにされているものと指摘せざるを得ない。
 この先、柏崎刈羽原発の再稼働に当たっても、このような状況下で迫られる懸念があるが、知事はどのように受け止めるか伺う。

(知事) 柏崎刈羽原子力発電所の再稼働についてでありますが、福島第一原子力発電所事故の検証・総括がなされなければ、再稼働については議論いたしません。

(小山) 政府は、川内原発の再稼働に当たって、具体的責任について明言化を避けており、田中原子力規制委員会委員長は、再稼働の是非は判断しないという。どこに具体的な責任があるのかあいまいにしたまま、もたれ合いで原発回帰への道を踏み出した。
 知事は、川内原発について、誰の判断と責任で再稼働が決まったものと考えているか伺う。
 また、一義的には電力会社の責任とは思うが、過酷事故が起こった場合の最終的な責任はどこが負うべきものと考えているか、併せて知事に伺う。

(知事) 原子力発電所の再稼働の責任についてでありますが、川内原子力発電所については、責任を持って情報を収集し分析する立場にはありませんので、新潟県知事としてのコメントは控えさせていただきます。
 過酷事故が起こった場合の最終的な責任は、事故を起こした電力会社と原子力政策を進めている国が負うべきと考えておりますが、各省間の消極的権限争いもある中、十分な賠償をする保険制度も整備されておりません。
 このような状況においては、国や事業者が最終的な責任を負えるのか疑問です。


(小山) 柳田邦男氏は、取り巻く環境や会社の体質、政策的な背景など組織的な要因、避難の混乱や被災者のその後の生活まで含めて事故の進展ごとに分析しないと、事故の全容を解明できたとは言えないとし、事故調査は背景を多角的に分析してこそ実効性のある安全対策を提言できると述べている。
 知事は、原発の再稼働問題に関して、福島原発事故のハード面、ソフト面の検証が先になされなければならないと主張してきているが、知事の言わんとする検証とは、こういうものであるとの認識で良いか伺う。

(知事) 議員ご指摘のとおり、柳田邦男氏のご指摘は、基本的には、従前から申し上げている私の指摘と同様のことが含まれており、政府、事業者、規制当局には、責任の所在を含め、事故の検証・総括に真摯に取り組んでいただきたいと思います。

◆原発へのテロ攻撃対策なし
(小山)
 IS(イスラム国)の攻撃対象の中に日本の在外公館が挙げられる中、安全保障関連法の強行制定により、原発が狙われる可能性が一段と高まっている。
 同法案の審議過程における原発への攻撃についての政府答弁を聞くと、政府は何の対策も講じていないと判断せざるを得ない。
 柏崎刈羽原発は停止していても危険なことに変わりはなく、航空機が意図的に衝突するなどテロ攻撃の対象となる危険性が高まっているが、テロ対策には十分な対応が取られていると県民は認識してよいのか。
 また、知事はどのように柏崎刈羽原発のテロ対策を把握しているか伺う。

(知事) 柏崎刈羽原子力発電所のテロ対策についてでありますが、安保法制の成立に関係なく、テロ行為等を含め、原子力発電所に対する攻撃の可能性は、重要な課題として常に意識していかなければならない問題であると認識しております。
 核物質を扱う原子力発電所については、国、警察等の関係機関と事業者が連携して、所要のテロ対策に取り組んでいるものと承知しております。
 しかしながら、テロに起因する原子力発電所の過酷事故発生後の対応については、国において十分には検討がなされていないものと認識しております。



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